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降らす
「降らす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
降らすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
は玉露に「甘い優美な趣味」があるとか、政《まつりごと》よろしきを得れば天が甘露を
降らすとか、または快く承諾することを甘諾《かんだく》といったりする時には、甘味は....
「奴隷根性論」より 著者:大杉栄
の酋長はいずれもみな神権を持っていて、自由に地水風火の原素を使役する。ことに雨を
降らすに妙を得ている。 バッテル氏によるに、ルアゴンでは畑に雨の必要があると、....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
一行は言った。「御用心なさらねばなりませぬ。匹夫匹婦もその所を得ざれば、夏に霜を
降らすこともあり、大いに旱することもござります。釈門の教えとしては、いっさいの善....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
線について上下し、たいてい春秋は山頂附近に、冬は山麓に止まり、その附近に多く雪を
降らすのであろう。天狗平の上は余り高く巻くと雪が堅く不愉快だ。室堂附近の積雪量は....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
抜き、以前の兜を切先にかけて、衝と天井に翳し、高脛に拍子を踏んで―― 戈※剣戟を
降らすこと電光の如くなり。 盤石巌を飛ばすこと春の雨に相同じ。 然りとはいえども....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
太郎は長い刀を抜いてそこへ跳《おど》り出でて、 「戈※剣戟《くわえんけんげき》を
降らすこと電光の如くなり、盤石《ばんじゃく》岩をとばすこと春の雨に相同じ、然りと....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
日が森をはなれて黄金の光の雨を緑の麦畑に、黄色な菜畑に、げんげさくくれないの田に
降らす、あぜの草は夜露からめざめて軽やかに頭を上げる、すみれは薄紫の扉を開き、た....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ぬかと存じますが、兎も角その時の問答の一|部をお伝えして置きます。―― 問『雨を
降らすのと、雷を起すのとでは、いつもその受持が異うのでございますか?』 答『それ....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
わからないで、打つという動作に酔ってしまって、力まかせに数知れぬ笞《むち》の雨を
降らすのだ。『たとい手前の手に負えなくっても、引け、死んでも引け!』痩せ馬が身を....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ものであろう。海浜においては、大気、外光、白日、朗らかな眼界、広い物音、生命を雨
降らす自由の雲、遠くに見える船、種々の形になって現われる希望、き合わせるかも知れ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
であり、それで生活を立てている。勢力争い――縄張争い、こいつがコジレルと血の雨を
降らす。親分乾児の関係が、武士の君臣関係より、もっと厳重で頼母しい。巧言令色、追....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
間此の役を引受けてやっているそうです。今此の村の農作物に恐るべき損害を与える雹を
降らす黒雲を大砲で打ちまくって散らしてしまうというのです。慣れた人には此の雲は普....
「迷信解」より 著者:井上円了
とは、越後の七不思議をはじめとし、あるいは天より怪石を降らし、白砂あるいは黄豆を
降らす等の類にして、昔時は一般に奇怪に思いしも、今日は学理の進歩によりて、一人の....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
ない。もう雪も解け出しそうなものだといらいらしながら思う頃に、又空が雪を止度なく
降らす時などは、心の腐るような気持になることがないではないけれど、一度春が訪れ出....
「四つの都」より 著者:織田作之助
吉「じゃ、誰に相談するんです」 清子「私は天に相談するわ」 十吉「天? 天は雨を
降らすだけだ」 というと、突然、雨が降りだして来る。 初枝「あら、本当だわ、降っ....