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「降灰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

降灰の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
上高地風景保護論」より 著者:小島烏水
美麗なる峡谷は、荒廃し、欝積熱烈の緑の焔は、白ッちゃけた灰になり、その上に焼岳の降灰が積もって、生々|欣栄《きんえい》の姿を呈した「生の谷」が醜い「死の谷」に変....
高山の雪」より 著者:小島烏水
ってしまうからだ。殊に日本北アルプスの飛騨山脈南部などでは、硫黄岳という活火山の降灰のために、雪のおもてが、瀝青《チャン》を塗ったように黒くなることがある、「黒....
神話と地球物理学」より 著者:寺田寅彦
海はことごとに泣き乾しき」というのは、何より適切に噴火のために草木が枯死し河海が降灰のために埋められることを連想させる。噴火を地神の慟哭と見るのは適切な譬喩であ....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
掻き分けて行くと、刎ねかえりざまに顔をぴしゃりと打つ、笹のざわつくたびに、焼岳の降灰がぷーんと舞いあがるので、顔も、喉も、手も、米の粉でも塗ったようにザラザラと....
小爆発二件」より 著者:寺田寅彦
らいたったころであったと思う。ふもとのほうから迎いに来た自動車の前面のガラス窓に降灰がまばらな絣模様を描いていた。 山をおりる途中で出会った土方らの中には目に....
日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
一つの山を湧出した。これがいわゆる宝永山である。山麓の須走村は熔岩の下に埋没し、降灰は武相駿三箇国の田圃を埋めた。その宝永の五年十一月に浅間山が噴火し、享保二年....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、つまり日中になったせいであって、火勢が衰えた結果ではないでしょう。その証拠には降灰がいよいよ濃くなって、のぼりのぼっているはずの天日をも望み難い色を深くしてく....
私本太平記」より 著者:吉川英治
足利系総氏族の大分裂を自身からしたものにほかならない。しかし彼によるこの大爆発の降灰を浴びても、その外輪や裾野をなしている一族諸武士は、 「やったか、ついに!」....