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降雪
「降雪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
降雪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
けの事でしたが、とにかく、ふたり顔を合せると、みるみる同じ形の同じ毛並の犬に変り
降雪のちまたを駈けめぐるという具合いになるのでした。 その日以来、自分たちは再....
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
十三日――「夜更けぬ。風死し林黙す。雪しきりに降る。燈をかかげて戸外をうかがう、
降雪火影にきらめきて舞う。ああ武蔵野沈黙す。しかも耳を澄ませば遠きかなたの林をわ....
「高山の雪」より 著者:小島烏水
腹に引かれている。これはいわゆる雪線で、よく新聞の電報欄に、昨夜何山の何合目まで
降雪ありという、その何合目が即ち雪線に当るのである、しかし地理学で普通に言う雪線....
「雪の白峰」より 著者:小島烏水
に白峰見えずとも、この山明かなるにて、別峰なることを知り候、今日この山に、非常の
降雪ありしように候、雪降りては、農鳥より右は真白なれど、左は縦谷のみ白く仰がれ、....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の融解によるとするもの(スカンジナビア人)、雨によるとするもの(アッシリア人)、
降雪(山地インド人 Montagnais-Indianer)、支柱の折れたために....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
谷には奥穂の例の岩場のすぐ東側から一直線に池ノ平まで雪崩が出ていた。これは昨日の
降雪で出たらしい。一昨日には見えなかったから。奥穂の岩場は去年の四月に比べて非常....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
案じている矢先で、それが延びれば延びるほど、あの険阻で聞こえた山間の高山路が深い
降雪のために埋められるのを恐れた。 独居のねぶり覚ますと松が枝にあまりて落つる雪....
「伊吹山の句について」より 著者:寺田寅彦
、すなわち約七十七パーセントは雨か雪が降る勘定である。筒井氏の調査によると、冬季
降雪の多い区域が、若狭越前から、近江の北半へ突き出て、V字形をなしている。そして....
「最小人間の怪」より 著者:海野十三
は暢々としていた。 或る朝、起きてキャンプを出てみると、外は真白になっていた。
降雪が夜のうちにあったのだ。そしてその日、妖怪に出会ったのである。 その妖怪は....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
「しからば、雪天なりや」と。このとき一本の足徐々としてあがる。衆、すなわち翌日は
降雪と断定す。(中略)また、コックリに向かって問うて曰く、「汝は一本の足にておど....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
来ないという有様でございますから、どんな有様か確と見定めることが出来ませぬ。暴風
降雪の過ぎ去った跡でさえなお雪を持て来る雲か、ただしは暴風を追う雲かは知らぬが、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
、わが十月はじめごろに似たり。この地冬期といえども、ほとんど降霜を見ることなく、
降雪は絶無なりという。ゆえに、家屋は多く暑さをしのぐに適して、防寒の設備を欠くも....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
のように目を掠めてゆく。いうまでもなく、雪が急に降りだしたわけではなくて、汽車が
降雪地帯へ入ったのにすぎなかった。 私は去年の七月にも根室まで行くので同じ沿線....
「筍の美味さは第一席」より 著者:北大路魯山人
四孝の孟宗は、母のために雪の地下深く竹の芽、すなわち筍を掘って有名であるが、筍は
降雪期の前、すでに地下深く萌芽しているから、別にふしぎなことではない。 京阪の....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
て「如何だい」といったような顔付をする、いつか中央気象台の岡田博士が「内地で最も
降雪量の多い所は越中劒岳の麓で、二丈も三丈も積る」と話した新聞記事を読んだことが....