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陣
「陣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
陣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
かすかなものの声が聞こえるとすれば、それは、香の煙のたちこめた大寺《だいじ》の内
陣で、金泥《きんでい》も緑青《ろくしょう》も所《ところ》斑《はだら》な、孔雀明王....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
見開いている、気味の悪い顔でございます。すると今度は煙ばかりか、火の粉を煽った一
陣の火気が、眼も眩《くら》むほど私を襲って来ました。私はもう駄目だと思いました。....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
。
ところが不思議な事には、それと同時に、雲で埋《うず》まっている谷底から、一
陣の風がまき起りますと、その風の中に何かいて、
「髪長彦さん。難有《ありがと》う....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
書斎でした。しかもそう云う周囲の中に、三浦《みうら》はいつもナポレオン一世の下に
陣取りながら、結城揃《ゆうきぞろ》いか何かの襟を重ねて、ユウゴオのオリアンタアル....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
× ×
三十分の後《のち》、彼は南蛮寺《なんばんじ》の内
陣《ないじん》に、泥烏須《デウス》へ祈祷を捧げていた。そこにはただ円天井《まるて....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
っていた。もっともこれは必ずしも行長の油断したせいばかりではない。この帳はまた鈴
陣《れいじん》である。誰でも帳中に入ろうとすれば、帳をめぐった宝鈴《ほうれい》は....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
二
すると同じ三十日の夜《よ》、井伊掃部頭直孝《いいかもんのかみなおたか》の
陣屋《じんや》に召し使いになっていた女が一人|俄《にわか》に気の狂ったように叫び....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
わっていた。
譚《たん》は若い船頭に命令を与える必要上、ボオトの艫《へさき》に
陣どっていた。が、命令を与えるよりものべつに僕に話しかけていた。
「あれが日本領....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
――――――
十分ほど前、何小二《かしょうじ》は仲間の騎兵と一しょに、味方の
陣地から川一つ隔てた、小さな村の方へ偵察《ていさつ》に行く途中、黄いろくなりかけ....
「少年」より 著者:芥川竜之介
である。……
「開戦!」
この時こう云う声を挙げたのは表門《おもてもん》の前に
陣取った、やはり四五人の敵軍である。敵軍はきょうも弁護士の子の松本《まつもと》を....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
、何ともその冗談《じょうだん》に答えなかった。
何時間かの後《のち》、この歩兵
陣地の上には、もう彼我《ひが》の砲弾が、凄《すさ》まじい唸《うな》りを飛ばせてい....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
のは、数えるまでもない。その弟の主水重昌《もんどしげまさ》は、慶長十九年大阪冬の
陣の和が媾《こう》ぜられた時に、判元見届《はんもとみとどけ》の重任を辱《かたじけ....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
て、ファディラの率いるアラビアの騎兵が、エルヴァンの市《まち》を陥れた時に、その
陣中に現れて、Allah akubar(神は大いなるかな)の祈祷を、ファディラと....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
友人が来ると、「よくお出で」と言い、講堂では前列の椅子に腰掛け、講師の右手の所に
陣取る。講演を聞きながら、時々前にかがみ、講演がすむと、周囲の人々に「ありがとう....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
くと口笛を吹きはじめた。だれかが自分の口笛に答えたような気がした。だが、それは一
陣の風がその枯れた枝をさっと吹きぬけただけのことだった。もう少し近くにきたとき、....