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陣取る
「陣取る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
陣取るの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「倫敦消息」より 著者:夏目漱石
どの室にも荷物が抛《ほう》り込んであってまるで類焼後の立退場のようだ。ただ我輩の
陣取るべき二階の一間だけが少しく方付《かたづい》てオラレブルになっている。以前の....
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
されるまで、現場の部屋を犯さないよう申出た。そして三四郎の書斎に充てられた別室へ
陣取ると、戸外の美木も呼び込んで、ひと通り事情を聴取しはじめた。 美木も私も、....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
の連中に限るんだがね。たとえば、この薄ぎたない料理屋へやつらが集まって、隅っこに
陣取るだろう。この連中は生まれてこのかた、ついぞ知り合ったこともなければ、これか....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
た後に、彼は小ジェリーを連れて銀行へ御出勤になり、大小二匹の猿のように銀行の前に
陣取る。当時十二歳の小猿は父親の指にいつも鉄の銹がついているのを不思議がる。 第....
「田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
のように、人力車を担《かつ》いでゆくようにする、贔屓《ひいき》の書生たちが、席へ
陣取ると、前にいっている仲間と一緒になって、下足札《げそくふだ》で煙草盆を叩《た....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
友人が来ると、「よくお出で」と言い、講堂では前列の椅子に腰掛け、講師の右手の所に
陣取る。講演を聞きながら、時々前にかがみ、講演がすむと、周囲の人々に「ありがとう....
「ロウモン街の自殺ホテル」より 著者:牧逸馬
いガリバルジ君である。意気揚々とホテル・アムステルダムに進出して、三階十四号室に
陣取る。これが月曜日のことで、それから毎日、昼二回、夕方一度、苦労性のモウパア警....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
、必ずしも空想談ではあるまいと思う。 現にホトトギス発行所がこの丸ビルの一室に
陣取るという事は、あまり突飛なこととして、初めは人人の嗤笑を受けた。併し今は、私....
「利尻山とその植物」より 著者:牧野富太郎
が上陸すべき鴛泊《おしどまり》の港に投錨した、直に上陸して熊谷という旅店に一行は
陣取ることになった。 この日は朝からして雲が多く、思うように山の形を見ることも....
「深川の散歩」より 著者:永井荷風
その間寒さを堪えて公園の中で待っていた。芝居へ入って前の方の平土間《ひらどま》へ
陣取る。出方《でかた》は新次郎と言って、阿久の懇意な男であった。一番目は「酒井の....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
上げる人間だ。
(門生退場。メフィストフェレス重々しげに坐す。)
己がここに
陣取るや否や、あそこの
奥の所に、お馴染のお客様が見える。
こん度は最新派の奴と....
「三国志」より 著者:吉川英治
し給えるご主旨は、山の細道の総口を塞ぎ、そこを遮断するにありましょう。もし山上に
陣取るときは、魏軍に麓を囲まれて、その使命を果しきれますまい」 「それは婦女子の....