陣太鼓[語句情報] » 陣太鼓

「陣太鼓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

陣太鼓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
やかさを加えた。幼稚園へ行く七つになる男の子が、巴《ともえ》の紋《もん》のついた陣太鼓《じんだいこ》のようなものを持って来て、宵子《よいこ》さん叩かして上げるか....
ゼーロン」より 著者:牧野信一
二三間の距離を曳きずられながら走った後に綺麗に鞍の上に飛び乗った。そして、突撃の陣太鼓のように乱脈にその腹を蹴り、鬣に武者振りついて、進め、進め……と連呼した。....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
入れると、千人以上の人を動かした。軍馬百五十頭、それにたくさんな小荷駄を従えた。陣太鼓と旗十三、四本を用意した。これはただの落ち武者の群れではない。その行動は尊....
旅愁」より 著者:横光利一
眼につくようになってからは、山野から出発していく馬の嘶きが次第に高くなって来た。陣太鼓の遠くから鳴りとどろいて来るようなこんな暑さに拘らず、それでも、久しく平和....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
、町野左近将監罷り通る、罷り通る、罷り通る、と陣鐘《じんがね》のような声もあれば陣太鼓のような声も有る、陣法螺《じんぼら》吹立てるような声も有って、間《あわい》....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
らす》が こう鳴いた おっしゃらしゃらしゃら しゃあらしゃら 斑鳩《いかるが》の陣太鼓 おしとど、おしとど 追いこんで おっしゃらしゃらしゃら しゃあらしゃら ....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
ない。おじいさんは桜の中に消えてしまった。 にわかにとどろく軍馬の音! 法螺!陣太鼓! 銅鑼ぶうぶうどんどん。 向こうの丘に現われた敵軍の大勢! 丸二つ引き....
不動像の行方」より 著者:田中貢太郎
物の音が聞えた。監物は耳をかたむけた。 とん、とん、とん、とん、…… それは陣太鼓の遠音であった。 「彼の音が、彼の音が聞えるか」 監物は右の手をあげてそ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
る限り幾多の旗幟《はたのぼり》がこしらえられ、同時に、どこでどう探したのか陣鐘、陣太鼓の古物が見つけられ、これによって野上の本陣を繰出した同勢が無慮百有余人――....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
町ですか」 「そうです」 「篝火が盛んに燃えていますね、あれ、陣鉦《じんがね》、陣太鼓の音も聞えるではありませんか」 「さあ、お前、あれにつれ、あんまり勇み足に....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
あるし、キリリとハチマキもしめている。吉良のように物置へ隠れたりしねえや。山鹿流陣太鼓の音をきくや、トンと門を蹴破って、自分から往来へとびだしてくるよ。鎌倉四十....
天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
がふさいでいる。 誰も見えず、静かだ。離れた本営の方からドードードーと響いて来る陣太鼓の音。 暫くして、右手から出て来る加多源次郎。敗走軍の惨苦が一目で見られる....
斬られの仙太」より 著者:三好十郎
ふさいでいる。 誰も見えず、静かだ。離れた本営の方からドードードーと響いて来る陣太鼓の音。 暫くして、右手から出てくる加多源次郎。敗走軍の惨苦が一目で見られ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
」 顕家は目醒めた。 しかし、太鼓は夢でない。何が起ったのか。とうとうと麓で陣太鼓が鳴っている。 あの君、この公卿。夢の中の人にしてなお今日も生きている人....
大岡越前」より 著者:吉川英治
胸がいっぱいになっちまった。そういえば、夢かな、と思ったが、ゆうべの太鼓は、その陣太鼓だったのか」 「うそをおつきなさい。松坂町からこんな所まで聞えるもんかね。....