陣立て[語句情報] »
陣立て
「陣立て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
陣立ての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
まだ腹が痛むんですか」
ときっぱりいって堅くすわり直した。しかしその時に葉子の
陣立てはすでにでき上がっていた。初めのほほえみをそのままに、
「えゝ、少しはよく....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
よくよく目をぱちくりさせるやつだな。敬公の様子によっちゃ、けんかにならねえように
陣立てしなくちゃならねえんだ。こっそりいって、空もようを探ってきなよ」 駆け込....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
る所なら何の容赦もなく我勝ちに飛び出した。これが大事件の発端である。
まず蜂の
陣立てから説明する。こんな戦争に
陣立ても何もあるものかと云うのは間違っている。普....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
雪崩れ込んで行った。釧路丸の水夫達は、ただの違法摘発にしては少し大袈裟過ぎるその
陣立てを見て、ひどくうろたえはじめた。が、直ぐに警官達に依って包まれてしまった。....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
でもありませんでしたが、これから無職で暮らして行こうとするには、やはりそれだけの
陣立てをしなければなりません。父は母と相談して、新宿の番衆町に地所付きの家を買い....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
、今ぞ重なる秘密と謎を割りながら、さッと競いかかりました。しかし笑止ながらもその
陣立て陣形はさすがに見事、兵家のいわゆる黒白構え、半刀半手の搦め捕りという奴です....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
やい！ ざまアみろい！ 一番手は京弥様。二ノ陣は傷の御前、後詰は峠なしの権次と、
陣立てをこしれえてから、乗り込んで来たんだ。よもや、おいらの面を忘れやしめえ！ ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
でたちの面々に前後を護られながら、雨中の街道を通った。いかめしい鉄砲、纏、馬簾の
陣立ては、ほとんど戦時に異ならなかった。供奉の御同勢はいずれも陣笠、腰弁当で、供....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
追って来るというので、またこちらじゃ一騒ぎでしたよ。御同勢千人あまり、残らず軍の
陣立てで、剣付鉄砲を一｜挺ずつ用意しまして、浪士の立った翌日には伊那道の広瀬村泊....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
、こっちだ」と、反対側はなお更景気よくどなっていた。
今は双方ともとっておきの
陣立てをきめて、あらしの前の静けさのように身ゆるぎもせず、顔を見あわしている。こ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
出すこともできず、払いのけることもできず、焦《じ》れてウォーウォーと叫ぶ。米友の
陣立てが悪い時、それを補うのがムクの役目でなければならぬ。それが米友並みに一足ず....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
目に見える警戒ぶりに於て、かえって人気を聳動《しょうどう》せしめるような、心なき
陣立てはしない。そこはさすがにその昔、太閤秀吉が鎮《しず》めて置いた土地柄とでも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
姓らは総出で、狂犬のあとを追うべく、山や、林や、畑から、巻狩《まきがり》のような
陣立てをととのえたのは、それから長い後のことではありませんでした。 左の肩先を....
「決戦川中島 上杉謙信の巻」より 著者:坂口安吾
の本陣を心棒に円形の陣が必要だっただけである。 余の軍兵は敵に先立って川中島に
陣立てすることに成功した。敵の陣が五間前方に迫っていても素知らぬ顔、音を殺して夜....
「退歩主義者」より 著者:坂口安吾
ようなグアイで、手がつけられない。みんな見上げた人物なのである。彼も素早く退歩の
陣立てをかためておけば、この社会でなんとか生計の立たない筈はなかったのだが、よウ....