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除地
「除地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
除地の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黄村先生言行録」より 著者:太宰治
大騒ぎをはじめた。悪い時に私はやって来たのだ。毎年、ちょうどその頃、湯村には、厄
除地蔵《やくよけじぞう》のお祭りがあるのだ。たいへん御利益のある地蔵様だそうで、....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
んしゅうさがら》――。」 「は。石高二万八千石、江戸の上屋敷は、神田一番原、御火
除地《おひよけち》まえにござります。」 そう答える大次郎の顔を、法外はじっと見....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
かりで往来し、他の金持は尾張家に対し、何等かの交渉を持っていて、御用達、三家衆、
除地衆、御勝手ご用達、十人衆、等々という、名称家格を持っていたが、逸見三家ばかり....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
かげろう》がゆらめく。 神田、鎌倉河岸から雉子橋《きじばし》ぎわまで、ずっと火
除地《ひよけち》で、二番原から四番原までのひろい空地は子供たちのいい凧あげ場にな....
「起ち上る大阪」より 著者:織田作之助
は無残にもこれらの愛すべき地蔵さんを破壊しようとした。 しかし、私はたとえば火
除地蔵というものを知っている。つねに火を避けて来た地蔵さんであるが、この地蔵さん....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
検めてみたりしたが、どこにも見当らなかった。 (辻斬だろうか?) 少し戻ると火
除地の桐の木畑がある。そこを通って、彼はもう半瓦の家へ戻ろうと考えていた。出鼻の....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
星か、縦から見ても横から見ても、掏摸とは思えぬ品のよい御寮人様。 四天王寺の日
除地、この間までの桃畑が、掛け小屋御免で、道頓堀を掬ってきたような雑閙だ。 日....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
叫んだのは万吉の声。お綱の影と一ツになって、バラバラと、淡島堂の石橋を越え、お火
除地の桐畑へと走って行った。 「それッ、見失うな」 と、お十夜は真ッ先に、周馬....
「無宿人国記」より 著者:吉川英治
の赤い宵空に、夕月の映るを見ながら、竹屋河岸の酒屋の軒ばを出て、ぶら、ぶら、と火
除地の桐ばたけを、一角は、よろめいて行った。 (よしっ、今だ) と見て、丈八が....
「日本橋附近」より 著者:田山花袋
野あたりに出かけて行く時には、私もよくそこで用を足したことを、またそのこっちが火
除地になっていて、そこにまばらに柳の緑がなびいていたことを、その火
除地というのは....