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陥欠
「陥欠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
陥欠の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
の徳化が少年に及ばなかったのを深く慚《は》ずるのであります。でこう云う事は、何か
陥欠《かんけつ》があると起るもので、事件その物を見ると何だか生徒だけがわるいよう....
「文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
物を公然発表して得意になるならば、その作家は個人としては、いざ知らず、作家として
陥欠《かんけつ》のある人間でなければなりません。病的と云わなければなりません。(....
「文芸と道徳」より 著者:夏目漱石
う》する事はとうてい困難である、また駄目である。同じ浪漫派にしても我々現在生活の
陥欠を補う新らしい意義を帯びた一種の浪漫的道徳でなければなりません。 道徳にお....
「草枕」より 著者:夏目漱石
のだから迷うのも無理はない。 元来は静《せい》であるべき大地《だいち》の一角に
陥欠《かんけつ》が起って、全体が思わず動いたが、動くは本来の性に背《そむ》くと悟....
「道草」より 著者:夏目漱石
三の気質も損われた。順良な彼の天性は次第に表面から落ち込んで行った。そうしてその
陥欠を補うものは強情の二字に外ならなかった。 彼の我儘《わがまま》には日増《ひ....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
んまり、かぶれていない」 「いないとみずから欺いているのだ。――どんな社会だって
陥欠《かんけつ》のない社会はあるまい」 「それはないだろう」 「ないとすれば、そ....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
学の目的が直接にこの弊《へい》を救うにあるかどうかは問題外としても情操文学がこの
陥欠《かんけつ》を補う効果を有し得る事はたしかであります。しかもこの情操の供給を....
「木下杢太郎『唐草表紙』序」より 著者:夏目漱石
の毒ですし、またそれを御約束した私にも多少の不便は出て来たに相違ありませんが、此
陥欠を避ける手段は御互になかったのですから、それは双方で我慢する事にして、私の御....