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陥没
「陥没〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
陥没の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
は、主峰があるといわれるあの雲の下が、もの凄い大空洞ではないかと思うんだ。サア、
陥没地、大梯状《だいていじょう》盆地というかね。それも、上空に渦をおこさせるほど....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
人造人間の建造などは、これからどうなるのであろうか。二人の門下生は、急に目の前が
陥没して、数千丈の谿谷ができたような気がした。 「さあそこで副主任バラ女史に命ず....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
必然的の労働の様に、妙に亢揚した息使いで各々足の先で湯の中を探って廻った。泥沼に
陥没しかかった旅人のように、無暗矢鱈に藻掻き廻るその裸形の男三人、時に赤鬼があば....
「地中魔」より 著者:海野十三
「これかね」帆村はニッコリ笑った。「これは岩が、室町の日本銀行をそっくり地下へ
陥没させて、金貨を奪おうとしたのが、つい間違って東京百貨店を地下へ
陥没させちまっ....
「海底大陸」より 著者:海野十三
っていますよ。きっと今、あなたはいまから九千年前、大地震のために大西洋の波の下に
陥没し去ったアトランティス大陸のことを思い出されたのでしょう。あのアトランティス....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
したい。城の東門前にある石の亀に注意して、もしその眼が赤くなったときは、この城の
陥没する時だと思いなさい」 老人の姿はどこへか失せてしまった。その以来、老女は....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
っと息を窒めた。それまで、濛気に遮られてずっと続いていると思われた密林が、ここで
陥没地に切り折れている。 |悪魔の尿溜――。 と三人は眩くような亢奮に我を忘....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
あるいは一歩さかのぼって、裾野がいまだ生成しないうち、富士と、愛鷹と、箱根が、
陥没地帯の大海原に、火山島のように煙を吐いて、浮かんでいたところを想像すれば、今....
「海底都市」より 著者:海野十三
少なくも三回の氷河期や、回数のわからないほどの大洪水《だいこうずい》、おそろしい
陥没地震《かんぼつじしん》などのために、地上の生物はいくたびか死に絶え、口碑伝承....
「恐竜島」より 著者:海野十三
ま》だったがね、たしかに、穴なんかなかった」 「じゃあ、いつの間にか、その小山が
陥没《かんぼつ》して穴になったんでしょうか」 「そうとしか思えないね。まさか道を....
「地球要塞」より 著者:海野十三
日本内地は、どうしたのであろう。空中へ吹きとんでしまったのか、それとも、海面下に
陥没《かんぼつ》してしまったか。 「ああ、
陥没! うむ、ひょっとしたら、そんなこ....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
円芯に当っていた。創傷の径は約半|糎、創底は頭蓋腔中に突入していて、周囲の骨には
陥没した骨折もなく、砕片も見当らない。創傷を中心に細い朱線を引いて、蜘蛛糸のよう....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
見えるのだった。左は中指右は無名指が第二関節からない両手の甲は、骨の間がすっかり
陥没して居て、指頭が細く尖って異様に光っているばかりではなく、膝蓋骨から下の擂木....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
のだ。がその本体の前にじり/\引摺り込まれて行く、泥沼に脚を取られたように刻々と
陥没しつゝある――そのことだけは解っている。けれどもすっかり
陥没し切るまでには、....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
足の俥屋さんでも折々足を深く踏み込む。小川や水溜りの所などには、ところどころ雪が
陥没して、断崖が現われている。幅三、四尺の土橋の上に、二、三尺の厚さに積った雪が....