陰に陽に[語句情報] »
陰に陽に
「陰に陽に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
陰に陽にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
下らないみじめな生物なんだ。物質の分配がどうだの、理想がどうだの、何イズムだのと
陰に陽にお祭り騒ぎして居るけれど、人間なんて、本当の処は桶の底のウジのようにうご....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
、とにかく反対派が種々の陰謀をめぐらした間に、初子は伊達|安芸らと心をあわせて、
陰に陽に我が子の亀千代を保護した。その事蹟が誤まって、かの政岡の忠節として世に伝....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
あります。此まゝ長く予審にお繋ぎ置きを願います。此後はキリスト教書籍を多く読み、
陰に陽に一人なりとも主に導きたく存じます。精神の修養につとめとう存じます。ついさ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の中は――決して。」――とは、不平不満のやりどころのないようなそれらの人たちより
陰に陽に聞こえて来る強い非難の声だ。半蔵なぞにして見ると、今の時はちょうど遠い昔....
「蒲団」より 著者:田山花袋
のを如何ともすることは出来まい。いや、更に一歩を進めて、あの熱烈なる一封の手紙、
陰に陽にその胸の悶を訴えて、丁度自然の力がこの身を圧迫するかのように、最後の情を....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
母は愛女の為に其望を遂げさすべく骨折る事を諾した。彼女の長兄は、其母を悦ばす可く
陰に陽に骨折る事を妹に約した。残る所は彼女の父の承諾だけであった。彼女の父は田舎....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
分布図は乱雑の極に達している。 そればかりではない。現今の日本は、各種の哲学が
陰に陽に、又知ると知らぬと関係なく、政治上の力を持つものとして、盛んに利用されて....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
文学主義の文学主義たる所以である。
現代日本の文化現象に於ける文学主義運動は、
陰に陽に、色々様々のニュアンスを以て、大衆の一定層に普及している。小商人、小ブル....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
義太郎・其の他はこの年度内にその自由を奪われ、社会科学・歴史科学・の科学的研究は
陰に陽に益々抑制されて来た。知育偏重がいけないという当局の文化政策も強調されるよ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
自分の部屋に隠し、且つ、休ませて置くことができました。 最後に、内外を合わせて
陰に陽に手を尽して探った一つの報告として、昨夜であったか、今晩であったか、大井の....
「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」より 著者:戸坂潤
て行くということがなくてはならぬ。そしてシステムの発動にはいつも公式というものが
陰に陽に必要なのである。あれも之も知っているということは、花嫁の嫁入資格ではあっ....
「どぶろく幻想」より 著者:豊島与志雄
家に身をひそめたが、千代乃は横浜にまでついて来てくれた。料理屋の女中をしながら、
陰に陽に周を庇護し、周も彼女を頼りにした。 「言ってみれば、千代乃のスカートの中....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
さく残るだろう、いろいろに形式を変えて我々の事業を妨害し大菩薩峠の今後の出版史に
陰に陽に動揺を与えることと思う、神田君が、たとえ窮余とは云いながら、貧すれば鈍す....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
うな事が起って来ると、自分一人で言っても利目がないから平生徒党を組んで居るやつが
陰に陽に相呼応して、実にかかる不忠の大罪人としてはとても口から言い得ない事を言い....
「悪僧」より 著者:田中貢太郎
えておれば、必ず及第いたします」 李張は科挙に及第して文官になったが、鄭宰相が
陰に陽に推輓してくれるのでめきめきと栄達した。....