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「陰干〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

陰干の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
三四郎」より 著者:夏目漱石
かなか不慣れなので、黒いものがかってに四方へ浮き出して、せっかく赤くできた柿が、陰干の渋柿《しぶがき》のような色になった。よし子は画筆の手を休めて、両手を伸ばし....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
死骸を土の底ふかく埋めておくと、二、三年の後にはその上に一種の茸が生える。それを陰干にしたのを細かく刻み、更に女の髪の毛を細かく切って、別に一種の薬をまぜて煉り....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
だか曇ってまいりましていけませぬ、など近所のよしみ、有合せのつらいお世辞を言い、陰干しの煙草をゆわえた細縄の下をくぐって突き当りのあばらやの、窓から四歳の男の子....
露肆」より 著者:泉鏡花
歯を、」 と云って推重なった中から、ぐいと、犬の顔のような真黒なのを擡げると、陰干の臭が芬として、内へ反った、しゃくんだような、霜柱のごとき長い歯を、あぐりと....
海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
いやすくもしこれを食えば即死だ。けれど、これは婦人病には特効があるというので、日陰干しにして売っているところがあるが、味はからすみに似てそれ以上であるというから....
冬の鰍」より 著者:佐藤垢石
をかけたように、矢倉石の天井に鰍は卵を生みつけておく。これを漁師は、一塩漬けの日陰干しにして山女魚の餌に使うのであるが、人が食べてはうまいものではない。 産卵....