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「陰火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

陰火の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
抜いて、 新「狸の所為《しわざ》か」 と斬りつけますと、パッと立ちます一団の陰火が、髣髴《ほうふつ》として生垣《いけがき》を越えて隣の諏訪部三十郎様のお屋敷....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
《ふちがみむらかみのげに》馬埋有上《うまうずめありて》爾|雨之夜々《あめのよよ》陰火之立昇依而《いんかのたちのぼるによって》文政十一年十一月十四日騎西熊次郎|依....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
尚の大きな影が幕をはびこるのを張合いにして、がんばり入道、ずばい坊、鬼火、怪火、陰火の数々。月夜の白張、宙釣りの丸行燈、九本の蝋燭、四ツ目の提灯、蛇塚を走る稲妻....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
――セヴィリアの公刑所には、十字架と拷問の刑具と相併立せり。されど、神もし地獄の陰火を点し、永遠限りなくそれを輝かさんと欲せんには、まず公刑所の建物より、回教式....
十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
。 慶応四年の春の夜ふけの遅い月が、陸奥二本松の十万石をそのひと色に塗りこめて陰火のように青白かった。 「アハハハハ……」 じいっと魅入られたもののごとく、....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
香もなく消え行く先だよ。広さ深さも無限の暗の。底に青ずみ漂う血の海。上にさまよう陰火の焔は。罪も報いも無いまま死に行く。精神病者の無念の思いじゃ。聞いて聞こえぬ....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
灰色の布を被る。 影法師 影法師も交りまして。 とこの名のる時、ちらちらと遠近に陰火燃ゆ。これよりして明滅す。 鯉七 身内の面々、一同参り合せました。 鯰入 憚....
」より 著者:田中貢太郎
になった。八番のあれと云う地曳網の網代になった処には、曇ってどんよりとした夜には陰火がとろとろと燃えた。 高知市の北になった法華堂と云う山の方から飛んで来る陰....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
ち竦んだ。 その憔悴したさま、滴のしたたる蓬のような髪の毛、それを仄めぐって、陰火のような茫々としたものが燃えあがっている。 この男には、自然としか見えぬも....
火の玉を見たこと」より 著者:牧野富太郎
それは光の弱い火できわめて静かにじーっと沈んだようになっていた。私はこれを一つの陰火であったと今も思っているが、そこはよくケチビ(土佐では陰火をこういう)が出る....
私本太平記」より 著者:吉川英治
た。 そのうちにシトシトと晩春の雨が降りけむる夜などには、たれいうとなく、青い陰火が燃えるといったり、断末の声がするなどという噂も立ち、いつかそのあたりへ立ち....