陶冶[語句情報] » 陶冶

「陶冶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

陶冶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
裕があるかを学びました。そうしてその寛容によって、寛容する人自身がどれほど品性を陶冶《とうや》されるかを学びました。僕はまた自分の愛を成就するためにはどれほどの....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
採って、頭尾二つとも完美な新種を得ようとする、ほとんど奇蹟にも等しい努力を始めて陶冶陶冶を重ね、八ヶ年の努力の後、ようやく目的のものを得られたという。あの名魚....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
者はその才芸器量に応じすべて士族となす事、全国男子の風教はいわゆる武士道をもって陶冶する事、左右大臣中の一人は必ず大将をもってこれに任じ親しく陛下の命を受けて海....
技術の哲学」より 著者:戸坂潤
ばならないのであり、而もこの要具は吾々人間の長い歴史の実際生活を通して、淘汰され陶冶されながら、対象そのものの内から骨折って抽出されて来たものなのである。そうい....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
ない。高い段階の物理学的実験などになれば、数学的操作や最後には範疇論(論理学)的陶冶を経た理論の、地盤となり又検証場面となることがその重大な役割だが、そこまで行....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
による「相模殖産学校」が設立されるし、満州のかの駒井徳三氏は、支那語を教えて人格陶冶を行なう私塾「康徳学院」を開いた。 海外に対しても塾式日本国民精神教育が注....
科学的精神とは何か」より 著者:戸坂潤
れ得るという場合であり、二つには公式が成立するまでに蓄積された認識の体系が歴史的陶冶に耐えて来たという自他の承認がある場合であり、三つには夫が世間の信用を博して....
現代科学教育論」より 著者:戸坂潤
育という一般的な観念である。夫が素質の掖導であるとか性格の形成であるとか人間性の陶冶であるとか、其の他其の他様々に云われている。併し之は一般の教育についてだ。科....
人の首」より 著者:高村光太郎
あり、写真では悪いが本人に会うと美しいという人は此の後天の美、閲歴、生活、性格|陶冶等から来る美を多分に持っている人の事である。 概して文芸家の首には深みがあ....
法学とは何か」より 著者:末弘厳太郎
となく収容され、一定年限の間、専門的知識と規律に対する服従能力とを集団的に教育・陶冶され、やがて一定類型の専門的勤務能力をもつものとして大量的におくり出される」....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
る。教育はこの点において大いに改造さるべき余地がある次第である。 教育は人格を陶冶《とうや》する方法であるが、人格を陶冶するにはその被教育者の投ぜられたる特殊....
役者の顔」より 著者:木村荘八
白装束や薙刀も生きた、舞台一杯のものでした。 「顔」も無論平素のその人の生活から陶冶されてその骨相の出て来るものと思います。これも柏筵の言葉に「役者は人間の見せ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
の手に成る救済事業が往々無用の徒労に終るを遺憾とし、自ら感化院を創めて不良少年の陶冶や罪人の矯正をしようという計画を立てた事もあった。 無論書斎の空想で、実行....
作家としての問題」より 著者:小川未明
しょう。しかし、一夜に人間を改造することはできない。人間を改造するものは、良心の陶冶に依るものです。芸術の使命が、宗教や、教育と、相俟ってこゝに目的を有するのは....
所謂批評の「科学性」についての考察」より 著者:戸坂潤
、批評の機能に齎すのである。 作品に対する極度に豊富な経験、それに基く理想的に陶冶された人間的感受性、これは印象を模範的たらしめる条件であるが、そういうものが....