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陸中
「陸中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
陸中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
たが、やがて半ば恥かしそうに、こう云う話をし出したそうだ。――夫がマルセイユに上
陸中、何人かの同僚と一しょに、あるカッフェへ行っていると、突然日本人の赤帽が一人....
「誰も知らぬ」より 著者:太宰治
ことで、母も、その頃は存命中でありました。父は、東京の、この牛込の生れで、祖父は
陸中盛岡の人であります。祖父は、若いときに一人でふらりと東京に出て来て半分政治家....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
うに、兵庫神戸の警衛を全く長州兵の手に任せて、早速街道両口の木柵を取り払わせ、上
陸中の外国兵をそれぞれ軍艦に引き揚げさせ、なお、港内に抑留してあった諸藩の運送船....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
阿賀妻は後から、それを追い立てるように言った、「見あやまるのも無理はない、ここは
陸中宮古の港からさえ何ほど離れておりますまい」
「まず、しかしながら、武士と見ら....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
代から思いだしたように時時噴火している。 延宝四年六月には石見、同五年三月には
陸中の南部に地震と海嘯があった。元和三年五月には江戸と日光山、同年九月には日光山....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
します。 読者の便宜のためというよりは、書く人の記憶の集中のために、まず地点を
陸中の国、釜石の港に置きましょう。人間のことを語るには、まず地理を調べてかかるの....
「夏」より 著者:寺田寅彦
和五年八月『東京朝日新聞』) 四 験潮旅行 明治三十七年の夏休みに
陸中|釜石附近の港湾の潮汐を調べに行ったときの話である。塩釜から小さな汽船に乗っ....
「月光の下」より 著者:田中貢太郎
前大海嘯を起して、数万の人畜の生命を奪った恐ろしい海とは見えなかった。 そこは
陸中の某海岸であった。一人の壮い漁師は沙丘の上に立って、悲しそうな眼をして海のほ....
「奥の海」より 著者:久生十蘭
「烏丸さまのおむすめは、奥州街道を行けば追手がかかる。わたしはここから浜へ出て、
陸中の海ぞいを、貝魚を拾いながら上総まで上る、とおっしゃって、陸奥の野辺地《のへ....
「鱒の卵」より 著者:佐藤垢石
海の鱒は、寒流に乗って北洋から回遊してきた。そして、太平洋側では北海道の諸川、
陸中の閉伊川、北上川。
陸中の阿武隈川。磐城の夏井川や鮫川。常陸国の久慈川に、那珂....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
近ごろ近ごろ、おもしろき書を読みたり。柳田国男氏の著、遠野物語なり。再読三読、なお飽くことを知らず。この書は、
陸中国|上閉伊郡に遠野郷とて、山深き幽僻地の、伝説異聞怪談を、土地の人の談話した....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
の意義に関する所論を完うせしめようと思う。 藤原秀衡は清衡の孫で、祖父以来今の
陸中の主要部分たる胆沢・和賀・江刺・稗貫・紫波・岩手の六郡を領し、さらに南に出で....
「オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
、東京帝室博物館の所蔵で、故伊能嘉矩君の寄附にかかる物。おそらく同君の郷里なる、
陸中遠野あたりの物であろう。他の一つは羽前東田川郡立谷沢村大字木ノ沢の、長南助右....
「獅子舞雑考」より 著者:中山太郎
が、大きな角が約九十度位の角度で生えている〔註五〕。それから先年ネフスキー氏が、
陸中国上閉伊郡土淵村で撮影した写真に拠ると、これも立派に二本の角を有しているが、....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
した郡までが夷地に没入するの情勢となった。かくて奥州では俘囚の長安倍頼時が、今の
陸中中部の六郡を押領して、国司の命を奉せず、ためにいわゆる前九年の役が起ったので....