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陸前
「陸前〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
陸前の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
「死なねえ? はてな。死んだはずだが」 「泰安さんは、その後《のち》発憤して、
陸前《りくぜん》の大梅寺《だいばいじ》へ行って、修業三昧《しゅぎょうざんまい》じ....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
た。顔と眼が感情を表現した。 将校との対立は、いつとはなしに深くなっていた。上
陸前に工藤が片づけられている。それが一層将校に近づき難い感じを与えた。それが、目....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
誇る仙台|伊達の青葉城下です。出船入り船帆影も繁き石の巻からそのお城下までへは、
陸前浜街道を一本道に原ノ町口へ抜けて丁度十三里――まさかと思ったのに、およそ退屈....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
て歩いた。昨年歩いたこの路を、今は逆にとって急いでいるのであった。春を追いかけて
陸前の地を旅立った彼らは、三月の下旬にはこの道を歩いていた。日蔭の窪地にはまだ雪....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
武家義理物語、四十七歳 義理 (摂津) 武家義理物語、四十七歳 女賊 (
陸前) 新可笑記、四十七歳 赤い太鼓 (京) 本朝|桜陰比事、四十八歳 粋人 ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
はる》かに男より多くその話もまたすこぶる多趣だ。 慙《は》じて蛇になった例は、
陸前佐沼の城主平直信の妻、佐沼御前|館《やかた》で働く大工の美男を見初《みそ》め....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
地震があった。 正保元年三月には日光山、同年九月には羽後の本荘、同三年四月には
陸前、磐城、武蔵、同四年五月には、また武蔵、相模に大きな地震があった。慶安には元....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しても東北の北陬《ほくすう》ですから、さのみ名所、名物といってはござらん、まあ、
陸前の松島まで参らなければ」
「ははあ、松島ですか」
「松島まで行きますと、かな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
加えたいのだ……その候補地が二つある。一つは駿河《するが》の国の清水港で、一つは
陸前の石巻《いしのまき》の港だが、清水港はよいところだが、今のところ、目に立ち易....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
まま船を行方《ゆくえ》も知らぬ外洋へ向けて出発せしめんとするのではなく、ひとまず
陸前の石巻《いしのまき》へ回航させて、かの地を第二の根拠として、なお修復と改良を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
脱いでいる――すなわち右の喜田貞吉博士は、どうした拍子か、安達の黒塚の所在地は、
陸前の名取郡の今の秋保温泉《あきうおんせん》のあたりがそれだと明言してしまったも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
るのが本格です。陸中の釜石の港に、今、駒井甚三郎の無名丸が碇泊している。この船が
陸前の松島湾の月ノ浦を出てから四日目、とにかく、船は安全に北上して、釜石の港まで....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
で希望をすてなかった。 昇龍丸は先ず房州で清松らの一行をひそかに上陸させた。上
陸前に、一行の荷物や全身を検査することを忘れなかった。それから横浜へ帰港して、畑....
「奥の海」より 著者:久生十蘭
厩《ちうまや》から気仙沼を一日で廻って、大船渡《おおふなわたし》の湊に二日いた。
陸前竹崎まで戻って、遠野街道をとり、岩手八日町に一日、岩手上郷に一日いて消息をた....
「本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
に成った様ではありますが、奈良朝のはじめには出羽国が設置せられ、引続き陸奥(今の
陸前)に多賀城を置き、秋田城との連絡を保って奥羽地方の蝦夷の経営は、着々進捗して....