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陸橋
「陸橋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
陸橋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪後」より 著者:梶井基次郎
人の装いで、労働者が多かった。夕刊売りや鯉売りが暗い火を点《とも》している省線の
陸橋を通り、反射燈の強い光のなかを黙々と坂を下りてゆく。どの肩もどの肩もがっしり....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
て、遂に目黒駅前まで来てそこにストップしたけれど、結局目の前に、昨夜と同じような
陸橋風景を見出したばかりで、途中「深夜の市長」に関する手懸りは何にも見当らなかっ....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
もしたかのように、スーッと薄暗くなる。そのうえに、線路が悪いせいか又は分岐点だの
陸橋などが多いせいか、窓外から噛みつくようなガタンゴーゴーと喧しい騒音が入って来....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
る秋の夜――恰度その夜は冷い時雨がソボソボと降っておりましたがな――H駅の近くの
陸橋の下で、気の狂った四十女の肉体を轢潰してしまった時から、「オサ泉」の主張で彼....
「河明り」より 著者:岡本かの子
リス海軍用のタンク」 水が見える。綺麗な可愛らしい市が見える。ジョホール海峡の
陸橋を渡って、見えていた市の中を通って、なおしばらく水辺に沿って行った処で若い紳....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
(大正十年十一月、渋柿) * 田端の停車場から出て、線路を横ぎる
陸橋のほうへと下りて行く坂道がある。 そこの道ばたに、小さなふろしきを一枚しい....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
そうお。」 車は広小路から坂本の方へ出て行き、狭苦しい町の中の雑踏へ来てから、
陸橋の袂で駐まったが、その家はいつ来ても庸三は気分がよかった。それにたといそれが....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
る。雨傘と、懐中電燈の電池を買って、電車で新宿に往った。追分で下りて、停車場前の
陸橋を渡ると、一台居合わした車に乗った。若い車夫はさっさと挽き出す。新町を出はな....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
出るなり。
別に行くところもない。大きな風呂敷包みを持って、汽車道の上に架った
陸橋の上で、貰った紙包みを開いて見たら、たった二円はいっていた。二週間あまりも居....
「風琴と魚の町」より 著者:林芙美子
学校へ行った。 小学校へ行く途中、神武天皇を祭った神社があった。その神社の裏に
陸橋があって、下を汽車が走っていた。 「これへ乗って行きゃア、東京まで、沈黙《だ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
大手がらを立てた組は、大変いいところへ、そのわなを作った。その小学生の五人は、
陸橋の上に待っていた。残りの五人は、
陸橋の下にわなを仕掛けた。
こうして待って....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ルドオから聖セバスチャンを経てMADRIDへ辿り着いたジョウジ・タニイ――それは
陸橋に月が懸って、住宅の根元の雑草にBO・BOと驢馬の鳴く晩だった――が、ドン・....
「お父さん」より 著者:林芙美子
くりしたような顔をしていましたが、急にあかい顔をして「ありがとう」といいました。
陸橋みたいになっているところの、みはらしのいい小さい空地へ三人は歩きました。 「....
「子規自筆の根岸地図」より 著者:寺田寅彦
の御院殿坂を捜して墓地の中を歩いているうちに鉄道線路へ出たがどもう見覚えがない。
陸橋を渡るとそこらの家の表札は日暮里となっている。昨日の雨でぐじゃぐじゃになった....
「どぶろく幻想」より 著者:豊島与志雄
下方は幾ヶ所も刳り抜かれて、線路が通っている。土手は二つに分れて、その先が木造の
陸橋。どこへ通じているのか、通る人もない。その土手上の道路にふらりと踏み込み、右....