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「陸続〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

陸続の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
を両国に出ようというのである。われに等しき避難者は、男女老幼、雨具も無きが多く、陸続として、約二十町の間を引ききりなしに渡り行くのである。十八を頭に赤子の守子を....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
た列車は一々数えきれなかった。夜間ばかりでは運搬しきれないものと見え、真昼間にも陸続として下って行った。東北地方の兵営が、空になるのではないかと、心配になるほど....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
社の創建は遠い上代のことで、その年時も明らかでないと云う。尤もその頃は牡鹿半島と陸続きであったろうと思われるが、とにかく斯ういう場所を撰んで、神を勧請したという....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
は、市中と郊外にある富士山の形に擬えた小富士や、富士権現を勧請した小社に、市民が陸続参詣した。駒込の富士から神田明神、深川八幡の境内、鉄砲洲の稲荷、目黒|行人坂....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
夜の内に、太く面やつれがしたけれども、翌日、伊勢を去る時、揉合う旅籠屋の客にも、陸続たる道中にも、汽車にも、かばかりの美女はなかったのである。 明治三十六(一九〇三)年五月....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
ら成れる、二つの集団間の抗争である。それ等の霊魂達は、悪鬼の如く荒れ狂いながら、陸続として肉体から離れて幽界へなだれ込む。すると其所には、残忍性にとめる在来の堕....
怪しの館」より 著者:国枝史郎
いてやろう」 で、旗二郎泊まることにしたが、はたしていろいろ気味の悪いことが、陸続として起こって来た。 六 通された部屋は寝所であった。 ....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
ぞ。アハハハ」 と和泉守、何と思ったか笑ったものである。 諸侯の乗り物陸続として来たる 和泉守と紋太郎とは役向きの相違知行の高下から、日頃|交際はし....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
い本が、世間にあろうとは思わなかった。もっと彦太郎読んでくれ」 そこで彦太郎は陸続と読んだ。それを怒ったのが権臣であった。すなわち田沼主殿頭であった。すぐ彦太....
剣侠」より 著者:国枝史郎
けて、澄江は往来の様子を眺めた。駕籠が行き駄賃馬が通り、旅人の群が後から後から、陸続として通って行き、鈴の音、馬子唄の声、その間にまじって虚無僧の吹く、尺八の音....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
く止まったのだ。六百円の保証金を軈て千五百円まで値上げしても、なお支店長応募者が陸続……は大袈裟だが、とにかくあとを絶たなかった一事を以ってしてもわかるように、....
キビキビした青年紳士」より 著者:甲賀三郎
歩君の「二銭銅貨」が現われ、次いで、「D坂の殺人事件」「一枚の切符」などの名篇が陸続として現われた。 当時これ等の名篇は創作探偵小説界に於ける空谷の跫音として....
私の洋画経歴」より 著者:小野佐世男
ごっこをしたのはなつかしい想い出である。グレース・カーナド出演映画は「獣魂」なぞ陸続と現れ、冒険心に満ちていた少年の僕を人生の楽しみとまでしみ込ましたのである。....
ストリップ修学旅行」より 著者:小野佐世男
ういとならび、嵐の前の静けさである。さて定刻の六時となれば、熱帯の花が競うよう、陸続と彼女達は大広間に現れ、いよいよ女護島の幕は切って落されたのである。社長を上....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
うことは余程地理学上名高い。もっとも南の方には二ヵ所ばかり外部の岸と中央の山とが陸続きになって居る。この山脈が湖面に浮んで居る有様はちょうど大龍が蜿蜒として碧空....