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陸離
「陸離〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
陸離の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
も悪作なりとなさず。ただ「蛙《かわず》」を「河童《かっぱ》」とせんか、さらに光彩
陸離《こうさいりくり》たるべし。
問 しからばその理由は如何《いかん》?
答....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
並んでいた。こういう訳で敬太郎の頭に映る観音の境内《けいだい》には、歴史的に妖嬌
陸離《ようきょうりくり》たる色彩が、十八間の本堂を包んで、小供の時から常に陽炎《....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
》は、余の知らない間にいつか死んでいた。余の病中に、空漠《くうばく》なる余の頭に
陸離《りくり》の光彩を抛《な》げ込《こ》んでくれたジェームス教授も余の知らない間....
「趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
を惹《ひ》く、女の背中いっぱいに広がっている帯は決して黒っぽいものでもない。光彩
陸離《こうさいりくり》たるやたらに奇麗《きれい》なものだ。若い女だ! と余は覚え....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
の上に羽織っている血紅色の経帷子が日光を受けて燦然と輝き四辺にあたかも虹のような
陸離たる光彩を描き出したのは――庄三郎にとっては驚異であった。 それもほんの一....
「読書法」より 著者:戸坂潤
いる。落ちつき払って見えるのもそこに原因しているらしい。 処でこの評論集は異彩
陸離たるものがある。都市、流行、建築、文芸、映画、美術、写真、舞台、放送、教育、....
「画室の言葉」より 著者:藤島武二
い。そして自然に夜の明けるのを待てばよい。やがて太陽は光芒一箭、雲間を破ってその
陸離たる光彩を燦然と輝かすのである。....
「印象」より 著者:宮本百合子
。 自分が終りまで遂にたんのう出来なかった原因の一つは、脚本そのものが余り光彩
陸離たるものでなかったことと、二つには、演出する俳優の心の態度が、ぴったりと自分....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
あるが、こちらの作者のスケールと現実洞察の、彼なりの鋭さ、リアリティーは実に光彩
陸離たるものがあります。若い時代が、その技術をくみとりつつ、内容に於て新たな世界....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
少くありません。だから燈なんかいらないの。消燈したって心の中はときによっては光彩
陸離の有様です。そういう動的状態でないときは、父の二代目で、ベッドへ入る、スタン....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ムがたかまり、将にデュエットがうたわれようとするときの光彩にあふれた美しさ。全く
陸離たる麗やかさ。光漲るなかに何と大きい精神の慰安が在ることでしょう。そういう美....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
てその美しさはいつもまざまざと描き出されて、うすれるどころか印象の中で一きわ光彩
陸離となってゆくのでしょう。そこが芸術である所以でしょうか。「泉」の描きかたにし....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ルマーニュを一身に具現した者、そういう者に従い、目ざむる曙《あけぼの》ごとに光彩
陸離たる戦勝の報知をもたらす者の民となり、アンヴァリードの砲声を起床の鐘となし、....
「青春論」より 著者:坂口安吾
の筆になった武蔵の試合ぶりというものは甚だ独特で、小説などで表わす以上に、光彩|
陸離たる個性を表わしているのである。以下、吉田氏の受売りをして、すこしばかり武蔵....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
及ぶものか。
どうかすると君方の演説は人世の紙屑で
上手な細工がしてあって、光彩
陸離としていても、
それは秋になって枯葉を吹きまくる
湿った風のように気持の悪い....