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「隅っこ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

隅っこの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
親子」より 著者:有島武郎
冷えますから」 と早田が口添えするにもかかわらず、彼らはあてこすりのように暗い隅っこを離れなかった。彼は軽い捨て鉢な気分でその人たちにかまわず囲炉裡の横座にす....
醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
を出しちゃいけないぜ。」 こんな風に言われて子家鴨はひとりで滅入りながら部屋の隅っこに小さくなっていました。そのうち、温い日の光や、そよ風が戸の隙間から毎日入....
南地心中」より 著者:泉鏡花
て、正面|充満に陣取ったろう。」 八 「娘はこの肥満女に、のしのし隅っこへ推着けられて、可恐しく見勝手が悪くなった。ああ、可哀そうにと思う。ちょう....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
い付けるだか、どうも勝手が違ったぞよ。たしか、そこだっけと勘考します、それ、その隅っこの、こんもり高な処さ、見さっせいまし、己あ押魂消ただ。その節あんな芭蕉はな....
転機」より 著者:伊藤野枝
葉がつづかなかった。ひどい! という言葉も、私が今一度に感じた複雑な感じのほんの隅っこの切れっぱしにすぎないとしか思えないような、不満な思いがするのであった。冬....
暗号の役割」より 著者:海野十三
あ、これかな」探偵は白黒表の最後のところのンを指す。第百字目のンだ。「四角の枠の隅っこにンの字があるのはこれだけだ。他の三つの隅にはンがない。……するとこの窓は....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
きかなくなった。倶楽部へ姿をあらわすことはあるが、彼は戸棚から小説本を取出して、隅っこに小さくなって頁を拡げていることが多かった。しかしそれを読み耽っているわけ....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
べたのであるが、車掌と憲兵とは、それを実行しようとも何とも言わずに、彼を三等車の隅っこに押しこんで、附近の乗客に、彼を監視しているように命じた。 こうして、彼....
怪塔王」より 著者:海野十三
うかなあ」 二人は、その室の隅をいろいろとさがしてみました。するとその壁の一番隅っこに、一銭銅貨を五つ並べたぐらいの大きさの、お猿の面がはりつけてありました。....
火星探険」より 著者:海野十三
頭大仙人で村人を黒山のように集めたときの元気はどこへやら、張少年は赤くはにかんで隅っこへうずくまる。 「だめなことはないよ。じゃあ僕が水晶の珠を持ってくるから、....
火薬船」より 著者:海野十三
あたりを探しまわった。 「あ、こんなところに……」 とうとうハルクの倒れている隅っこを見つけた。 ハルクは、虫の息だった。体は、火のようにあつい。竹見は、お....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
の上に載せてはこぶというセルフ・サーヴィスの食堂があった。二人は離れ小島のような隅っこのテーブルを占領して、同じ献立の食べ物を見くらべてたのしそうに笑った。 「....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
れていた。が、ベッドの上は空っぽで、求める事件の主は、いま入った戸口に近い左側の隅っこに、大の字に伸びていた。若い長身の男だが、四角い頤が見えるばかりで、上の顔....
地獄街道」より 著者:海野十三
るネ。ここに通風窓があって窓の外へ一メートルも出ている。ホラ見給え、家に近い方の隅っこに、小さい石炭の粉がすこし溜っているじゃないか」 「なるほど、君の眼は早い....
地獄の使者」より 著者:海野十三
心得て、一人の警官に目配せをした。その警官はいそいで部屋を出ていった。 帆村は隅っこの椅子に腰を下して煙草に火をつけた。 やがて和服を着た中年の婦人が、警官....