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隅隅
「隅隅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
隅隅の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「厨房日記」より 著者:横光利一
としたブランクの映像のまま取り残されているのだと梶は思うと、その一隅から、世界の
隅隅に照明を与えて人人の眼光をくらましている日本の様が、孫悟空のように電光石火の....
「旅愁」より 著者:横光利一
らこのように外へ出かけ、そうしてパリへ戻って来る度びに、この古い仏閣のような街の
隅隅から今までかすかに光りをあげていたものが次第に光度を増して来るのだった。
....
「夜の靴」より 著者:横光利一
証を重んじ、土壌の化学と種子の選定以外にはあまり表情を動かさない着実さが、心理の
隅隅にまで行きわたっている。まことに言葉以上の記号で生活している最上級の音楽形式....
「大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
場界隈だけは、どこの路地を抜ければ何屋があり、何屋の隣に何屋があるということを、
隅隅まで知っていた。大阪の町を歩いて道に迷うようなことはなかった。ところが、梅田....
「水面に浮んだ女」より 著者:田中貢太郎
の中を詮議してくれ」 平三郎は刀の異状に力を得て、若党と三人で松明を点けて庭の
隅隅を調べて廻った。曇った空に鬼魅悪い冷冷する風が出ていた。庭には何の異状もなか....
「幼年時代」より 著者:室生犀星
しかし私はなぜだか親しみにくいものが、母と私との言葉と言葉との間に、平常の行為の
隅隅に挟まれているような気がするのであった。 姉は嫁入さきから戻っていた。そし....