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「隆起〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

隆起の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
であろうか、翁の指尖が目途の正面を越して反対側へ撫で移るまもないところから地平は隆起し、麓《ふもと》から中腹にさしかかり、ついに聳《そび》え立つ峯巒《ほうらん》....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
、生え際のあたりにだけ、病んだような微妙な線が残されるばかりになった。そうして、隆起したくびれ肉からは、波打つような感覚が起ってきて、異様に唆《そそ》りがちな、....
俘囚」より 著者:海野十三
た。なんという人体だ。顔は一方から殺《そ》いだようになり、肩には僅かに骨の一部が隆起《りゅうき》し、胸は左半分だけ、腹は臍《へそ》の上あたりで切れている。手も足....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
積したものと考えられなければならない。こういう地層がしばしばもとの水平な位置から隆起しているところから見ると、これは何か外力の作用によって起ったことに相違ない。....
深夜の市長」より 著者:海野十三
って、そっぽを向いていた。そのはだけた襟の間からは、膨れあがったような真白な肉の隆起が覗いていた。その上を匍いのぼると、白い氷山のような広い頸があって、見るのも....
麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
が、唯一つ、右の拇指の腹に針でついたほどの浅い傷跡があって、その周囲だけが疣状に隆起し、すこし赤味が多いのを発見した。これは松山が、白布の張りかえのときに「痛い....
三人の双生児」より 著者:海野十三
です。そして僕がその瘢痕を動かそうとすると、その瘢痕は赤く膨れて背中よりも五六分隆起して上下左右思うままにピクピクと動くのです。ですからどうかすると、むかし僕の....
灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
支脈と正面衝突をし、猛悪な底流れと化して汐巻岬の暗礁地帯に入り、ここで無数の海底隆起部にはばまれて激上するために、海面には騒然たる競潮を現わしていようというとこ....
かの女の朝」より 著者:岡本かの子
た。 かの女の小児型の足が二つ毬のように弾ずんだ。よく見ればそれに大人の筋肉の隆起がいくらかあった。それを地上に落ち付けると赭茶の駒下駄の緒の廻りだけが括れて....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
よりも大きいのは口だけであつた。ことに下唇の下に鼓の胴を横にしたような形の筋肉の隆起があつたが、これは松之助を他の人と区別する最も著しい特徴であつた。 こんな....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
めかえって細まり、さながら四本の足かのようになった。窪んだ箇所は黒い陰影を作り、隆起している角は骨のように白く見えた。紙帳蜘蛛は歩いて行く。と、蜘蛛は、地面へ、....
キド効果」より 著者:海野十三
見ると、これは今までの曲線図とはまるで違っていた。K興奮にあたるところに、僅かの隆起のある曲線で、わざわざ「木戸現象を導出するに至りたる根拠の曲線」と書き込まれ....
褐色の求道」より 著者:岡本かの子
。流石に其処だけは自然に土盛りが高くなっていて、多少の景勝の地は占めている。その隆起の峯続きを利用して寺の主堂、廊、翼堂と建て亘したのであった。門は直ぐ道路のペ....
健康三題」より 著者:岡本かの子
ャの彫刻に見るような筋肉の房が現われた。私自身自分の女の肉体に青年のような筋肉の隆起が現われることに神秘的な興味を持ったのだが、気がつくと、これに瞠っている少女....
百喩経」より 著者:岡本かの子
このとき思わず令嬢の顔を見た三木本の眉の根に面倒と怒りとで挟み上げられた肉の隆起を認めた。だがそれは極めてかすかなものですぐ消えた。 三木本の帰ったあと遅....