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階下
「階下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
階下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼」より 著者:芥川竜之介
を出てから、本郷《ほんごう》のある印刷屋の二階の六畳に間借《まが》りをしていた。
階下の輪転機《りんてんき》のまわり出す度にちょうど小蒸汽《こじょうき》の船室のよ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
返事をして置いて、それからわざと元気よく、梯子段《はしごだん》を踏み鳴しながら、
階下《した》へ行った。行って見ると、玄関の格子《こうし》の中には、真中《まんなか....
「或る女」より 著者:有島武郎
ました」
そう襖越《ふすまご》しにいいながらさっきの女中は顔も見せずにさっさと
階下《した》に降りて行ってしまった。葉子は結局それを気安い事にして、その新聞を持....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
いんだからね、色男、ははは、」 と他愛なく身体中で笑い、 「だって、どうする。
階下に居るのを、」 背後を見返り、 「湯かい。見えなかったようだっけ。」 主....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
白地の中形を沈めていた。 「ちょっと、」……と手繰って言ったと思うと、結綿がもう
階下へ。 「何だい。」とお才は、いけぞんざい。階子段の欄干から俯向けに覗いたが、....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
た小説を読んだ。そうして読みながら、いつか午睡をしてしまった。 眼がさめると、
階下に大野さんが来ている。起きて顔を洗って、大野さんの所へ行って、骨相学の話を少....
「女客」より 著者:泉鏡花
の度上京、しばらくここに逗留している、お民といって縁続き、一蒔絵師の女房である。
階下で添乳をしていたらしい、色はくすんだが艶のある、藍と紺、縦縞の南部の袷、黒繻....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
さえ心臓の苦しいのが、悪酔に嘔気がついた。身悶えをすれば吐きそうだから、引返して
階下へ抜けるのさえむずかしい。 突俯して、(ただ仰向けに倒れないばかり)であっ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
って、自動車の頭灯が、魚の動きにつれて光る、夜の海の夜光虫のように交錯していた。
階下の工場で、一分間に数千枚の新聞紙を刷りだす、アルバート会社製の高速度輪転機が....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
さくさしたから、返事もしないで黙っていると、おばあさんがお聞きつけなすッて、 (
階下へおいで、ね、ね、そうしないと悪い)ッて、みんなもうちゃんと推量して、やさし....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
は入れる。 この室はファラデーの時代には非常に大きい講堂として有名る。 また
階下には小さな化学実験室がある。これは初めに小講堂であった室で、その先きに、昔か....
「山吹」より 著者:泉鏡花
にでもおいでなのですか。 夫人 ええ、じき(お傍にと言う意味|籠る)……ですが、
階下の奥に。あの…… 画家 それはどうも――失礼します。(また行く。) 夫人 (....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
う。もう雛壇を退けようという三日の晩、この間飾ってから起きると寝るまで附添って、
階下へも滅多にゃあ下りたことのないばかり、楽み疲れに気|草臥という形で、片手を畳....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
よ。) 愛吉|傍在。で、その際、ちと諷する処あるがごとくにいって、洋燈を持って
階下へ下りた。あとはどうしたか知らないそうでさ。 勿論普通の人間じゃ寐られるど....
「活人形」より 著者:泉鏡花
い、はい。もしお聞きなされまし。あの時お藤|様を人形の後へ隠して、それから貴下、
階下へおりてがらくた部屋の前を通ると、内でがさがさいたしますから、鼠か知らん、と....