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階前
「階前〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
階前の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「堺事件」より 著者:森鴎外
稲荷社に往った。社壇の鈴の下に、小南が籤を持って坐る。右手には目附が一人控える。
階前には下横目が二人名簿を持って立つ。社壇の前数十歩の所には、京都から来た砲兵隊....
「源氏物語」より 著者:紫式部
の御馬と蔵人所《くろうどどころ》の鷹《たか》をその時に賜わった。そのあとで諸員が
階前に出て、官等に従ってそれぞれの下賜品を得た。この日の御|饗宴《きょうえん》の....
「源氏物語」より 著者:紫式部
もの》も多く持参したのである。今日も文士が多く招待されていて皆席上で詩を作った。
階前の薔薇《ばら》の花が少し咲きかけた初夏の庭のながめには濃厚な春秋の色彩以上の....
「源氏物語」より 著者:紫式部
息の十歳ぐらいの子が非常におもしろく舞った。帝は御衣を脱いで賜い、父の太政大臣が
階前でお礼の舞踏をした。主人の院はお折らせになった菊を大臣へお授けになるのであっ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
るような点が、何か私達の生活の現実が、到達している生活の実際よりも、歴史的に一段
階前のもののように思われます。そして、この事は書かれた時代が二十年程前だと云うば....
「多神教」より 著者:泉鏡花
お沢の肩を掴む。 神職 これ、婦。 お沢 (声の下に驚き覚め、身を免れんとして、
階前には衆の林立せるに遁場を失い、神職の手を振りもぎりながら)御免なさいまし、御....
「駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
その名を知らぬ者はないほどの女である。けれども冷めたい西風は幾重の墻壁を越して、
階前の梧葉にも凋落の秋を告げる。貞子の豪奢な生活にも浮世の黒い影は付き纏うて人知....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
て、白い歯を剥いて、 「あれ見や、額なんか見ていやがる」 と笑う。 本願堂の
階前に立って武蔵は、そこの古びた棟木に懸かっている額を仰いでいるのである。 不....