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階級意識
「階級意識〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
階級意識の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「片信」より 著者:有島武郎
、いろいろの批評や駁撃《ばくげき》に遇うことになった。その僕の感想文というのは、
階級意識の確在を肯定し、その意識が単に相異なった二階級間の反目的意識に止まらず、....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
それが来たるべき生活の上に復帰しようとは、誰しも考えぬところであろう。文芸の上に
階級意識がそう顕著に働くものではないという理窟は、概念的には成り立つけれども、実....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
声ではいえないがと断って、 「まるで、金魚の蘭鋳だ」 と笑った。 漠然とした
階級意識から崖邸の人間に反感を持っている崖下の金魚屋の一家は、復一が小学校の行き....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
う云うものか犯人は出来るだけ偉い人の前で自白したがるものだと云う。こんな所にまで
階級意識が働くのか、それとも少しでも正確に自白を伝えようと思うのか、兎に角面白い....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
政策等を分り易く、具体的に暴露して、それにマルクス主義的な解答を与え、漸次彼等を
階級意識に目覚めさせて行く任務を持っていた。――だが、この新聞の持つ究極の意味は....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
――蔽い匿されて了う。真理と虚偽との中から真理を選択させるものが、プロレタリアの
階級意識の主観性とを無媒介に対立させて、之かあれかを問うことなどは、独りよがりな....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
るものをたって謝絶いたしますと、独占的ブルジョアの横暴ででもありますかのように、
階級意識を刺戟しまして――土地が狭いもんですから――われわれをはじめ、お客様にも....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
とにかく彼は絵筆にものを言わせようとしている。ひとつの理想主義、革命的社会思想、
階級意識、戦争と力への反撥――そういったものを取材とする絵が芸術であっていいかど....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
気もあり立派な遊びをするかというと、とんでもない話なのだ。 小悪党というものは
階級意識の強いものだ。パンパンのような社会的地位がゼロ以下の合法的でない存在に対....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
(ロ)は山荘がかった避暑館へ傭われた水汲女が急な門坂を汗しつつ、にない登る有様と
階級意識。 松の間の冬日にとまる電車かな かな女 ストーブや棕櫚竹客の椅子に....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
だ。そうだ。あいつは労働運動界のユダだ! 彼の説く無抵抗主義のために、労働階級の
階級意識は鈍れ、戦闘的気分は薄らぎ、労働者は永遠に奴隷の状態に満足せねばならない....
「街を行くまゝに感ず」より 著者:小川未明
、その名称に於てこそ、心理描写と言い、或は感覚の芸術であると言われるけれど、真の
階級意識を有せざる点に於て、プロレタリアの芸術と言うことができないと同じでありま....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
長が、廻国の修行者に私刑を加えたとあるのはその一例である。また彼らは、仲間同士の
階級意識もかなり濃厚であった、鴨長明の「発心集」に、京都清水坂の坂の者の事につい....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
種々の相違はありますが、いずれ同一民衆中の、落伍者の群に相違ありません。しかるに
階級意識の盛んな時代には、彼らはだんだん身分の賤しいものとして見下げられます。そ....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
を得ました。すなわちみな同一の日本民族であるのであります。しかるにその落伍者が、
階級意識の盛んな時代において、自然賤しい者として待遇せられ、子孫相つぐに及んで、....