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随処
「随処〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
随処の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
霜にも、雨にも、時雨にも、ただこの路をぶらぶら歩いて思いつきしだいに右し左すれば
随処《ずいしょ》に吾らを満足さするものがある。これがじつにまた、武蔵野第一の特色....
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
、どう数えても十五になる。一より十六を正方格内に置いて縦線、横線、対角線、各隅、
随処四方角、皆三十四になる。二十五格内に同様に一より二十五までを置いて、六十五に....
「惜別」より 著者:太宰治
して、その余波が明治維新後にも流れ伝っているのか、キリスト教の教会が、仙台市内の
随処にあり、仙台気風を論ずるには、このキリスト教を必ず考慮に入れなければならぬと....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
順路であった。…… うの花にはまだ早い、山田|小田の紫雲英、残の菜の花、並木の
随処に相触れては、狩野川が綟子を張って青く流れた。雲雀は石山に高く囀って、鼓草の....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ちょうど五三事件の記念日とかで、城内には朝から不穏の気あり。果して共産党の小暴動
随処に乱発。散策、買物の後、南京路で精進料理を試み、自余の時間は、街上に船中に、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
った。人は知らず、この温泉の口の奥は驚くべき秘密を有して、滝太郎が富山において、
随処その病的の賊心を恣にした盗品を順序よく並べてある。されば、お雪が情人に貢ぐた....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
か、「けり」とかに匹敵するだけの効果をもっているのである。この事は、万葉の秀歌に
随処に見あたるので、「その草深野」、「棚無し小舟」、「印南国原」、「厳橿が本」と....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
朝顔の鉢をいくつも並べているでしょうね。いつも貴君の書棚の上にかかっている「読書
随処浄土」というお父さまが、お書きになったという字額が、すぐ目に浮んできますのよ....
「巡回書庫と町村図書館と」より 著者:佐野友三郎
べきもの多からざれども、これを米国に見るに、巡回書庫は、町村図書館の先駆として、
随処に歓迎せられつつあるなり。千八百九十三年、ニユーヨーク州において、始めて巡回....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
ごとに、巧みにそれを引っぱずす彼を発見することができるはずだ。こうした話題転換は
随処に見られるが、一例を挙げれば、『六号室』を読んだスヴォーリンが、何か物足りな....
「道〔扉の言葉〕」より 著者:種田山頭火
いる。 句作の道――道としての句作についても同様の事がいえると思う。句材は随時
随処にある、それをいかに把握するか、言葉をかえていえば、自然をどれだけ見得するか....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
既信伏質直意柔軟、一心欲見仏、不自惜身命、」と親仁は月下に小船を操る。 諸君が
随処、淡路島通う千鳥の恋の辻占というのを聞かるる時、七兵衛の船は石碑のある処へ懸....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
た畑は家屋をかこみ、碁盤をみるような思いがした。(嗹国郊行)) 独北路漫漫、農田
随処寛、又知工業盛、烟柱聳。(独逸野望) (独北部の道は長く遠くつづき、農地はい....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
、広く浄人や唱門師の徒を指したものであることを忘れてはならぬ。 しかしながら、
随処居止した浮浪生活の散所の輩も、いつしか適当な場所を見立てて居所を定め、生活の....
「放免考」より 著者:喜田貞吉
境に寓して別に生活の道を求め、或いはいわゆる雑式浮宕の輩となりて、放浪に衣食し、
随処に口を糊するものも出来たに相違ない。そしてこれらの中から採用せられた少数のも....