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「随喜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

随喜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
車の輪にかけて、あの下司《げす》を轢《ひ》き殺さぬ。怪我をしてさえ、手を合せて、随喜するほどの老爺《おやじ》じゃ。轍《わだち》の下に往生を遂げたら、聖衆《しょう....
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
蓮《にちれん》と一しょに、沙羅双樹《さらそうじゅ》の花の陰も歩いています。彼等が随喜渇仰《ずいきかつごう》した仏《ほとけ》は、円光のある黒人《こくじん》ではあり....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
》を腰にささせたらば、あわれ何若丸とか名乗る山門の児《ちご》として悪僧ばらが渇仰随喜《かつごうずいき》の的《まと》にもなりそうな美しく勇ましい児ぶりであった。し....
婦系図」より 著者:泉鏡花
善市の相談をするのもある。飽かず、倦まず、撓まないで、客に接して、いずれもをして随喜渇仰せしむる妙を得ていて、加うるにその目がまた古今の能弁であることは、ここに....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
ェーブの額髪で隠れているが、ほんとうはこの間までまるだしの抜け上ったおかみさんを随喜して居るような、自分を、麻川氏を、馬鹿にしてやり度いような、と云って馬鹿に出....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
社会的価値を認めたからではなかった。であるから政治家の変装たるヂレスリーの亜流を随喜しておっても、真の文人たるヂッケンスやサッカレーに対しては何等の注意を払わな....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
を托鉢しながら通る途中、かのありがたい石地蔵の前に立ったときに、尼は言い知れない随喜渇仰の念に打たれて、ここにしばらく足を停めることに決心して、村はずれに茅ぶき....
「ファン」について」より 著者:伊丹万作
困りものはいわゆるファンである。もしそれ、スターのプロマイドに熱狂し、鼻紙の類に随喜する徒輩にいたつてはただ単に俳優のファンたるにすぎず、これはもはや映画のファ....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
中の絶唱である。漢詩愛誦家の中にはママ諳んずるものもあるが、小説愛好者、殊に馬琴随喜者中に知るものが少ないゆえ抄録して以てこの余談を結ぶ。 (昭和三年四月仏誕会)....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
意の泥画は「俺の画は死ねば値が出る」と生前豪語していた通りに十四、五年来著るしく随喜者を増し、書捨ての断片をさえ高価を懸けて争うようにもてはやされて来た。 椿....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
雨だけが相変らず読まれて、昨年縮印された全集がかなりな部数を売ったというは緑雨の随喜者が今でもマダ絶えないものと見える。緑雨は定めし苔の下でニヤリニヤリと脂下っ....
二葉亭四迷」より 著者:内田魯庵
文芸に対する先入の不満が累をなしてこの同じ見方からして、その晩年にあってはかつて随喜したツルゲーネフをも詩人の空想と軽侮し、トルストイの如きは老人の寝言だと嘲っ....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
出ずることなし。ゆえに、大祭日にみずから礼壇に上りて供養をなすに当たりては、満堂随喜の涙にむせび、感泣の声四隣に聞こゆという。あたかもわが真宗信徒の、その法主を....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
一層極端にしてくる。東常縁は尭孝から右の『井蛙抄』の訓えをそのまま受け売りされて随喜しているのであって、『東野州聞書』につぎのように記している、「定家の歌の本意....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
老人達は定めしこのモオター・ボートに苦々しい顔をすることであろう。僕は江戸趣味に随喜するものではない。しかし僕の小学時代に大川に浪を立てるものは「一銭蒸汽」のあ....