随喜の涙[語句情報] » 随喜の涙

「随喜の涙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

随喜の涙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
と、女は悦んで、あゝ有難う草葉の蔭において両親も嘸悦びましょうと、綺麗な顔で真に随喜の涙を流した」 ○「へえー芋売見たような涙を」 侍「なに有難涙を」 ○「へえ....
能とは何か」より 著者:夢野久作
欲が含まれている。 もっと進んだ芝居好きになると、扮装も背景も無い素舞いを見て随喜の涙をこぼすのがある。 能はこうした舞台表現の中でも、一番いい処……すなわ....
風流仏」より 著者:幸田露伴
て御法の風に舞い扇、極楽に歌舞の女菩薩一員増したる事疑いなしと様子知りたる和尚様随喜の涙を落されし。お吉|其儘あるべきにあらねば雇い婆には銭やって暇取らせ、色々....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の嬉しさ、これが罪障消滅《ざいしょうしょうめつ》、後生安楽《ごしょうあんらく》と随喜の涙にくれているものばかりであります。 「お前は少しお待ち」 いま上人の前....
連環記」より 著者:幸田露伴
や其事情がまざまざと※の中にも断えず唱えられたろうが、定基の母にも恩愛の涙と共に随喜の涙によって唱えられたことであったろう。 定基は東山如意輪寺に走った。そこ....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
長老のそば近くひしめいていた多くの女たちは、その瞬間の印象によびさまされた感動に随喜の涙を流した。なかにはその法衣の端でも接吻しようとして押し寄せる者もあれば、....
春宵因縁談」より 著者:佐藤垢石
ばかりであるから、なんで主家の凋落を喜ぶ者があろう。頼母木の悲壮な決意にこぞって随喜の涙を流した。 そこで私は、心豊かな気持ちとなり四月の上旬、将棋の名人木村....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
エシキザクラ》と呼ばれ、往々それをお寺の庭などにも見受けるのだが、ありがた連中、随喜の涙にむせぶ連中はこのサクラの開花を仰ぎ見て、さも仏様の功徳によってそれが自....
鼻に基く殺人」より 著者:小酒井不木
もって、自分の犯した罪をいつもの如くさらさらと書くことが出来るではないか、悪魔よ随喜の涙を垂れてくれ。 近藤進の過失死が実は他殺であること、而もその犯人がこの....
伝通院」より 著者:永井荷風
の伝通院の住職になった老僧が、紫の紐をつけた長柄《ながえ》の駕籠《かご》に乗り、随喜の涙に咽《むせ》ぶ群集の善男善女《ぜんなんぜんにょ》と幾多の僧侶の行列に送ら....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
シナの坊さんというものはそんなに道徳心即ち菩提心の篤いものであるかと大いに悦んで随喜の涙に咽びました。で、その夜はどうか説教をしてくれろといいますから、私はその....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
出ずることなし。ゆえに、大祭日にみずから礼壇に上りて供養をなすに当たりては、満堂随喜の涙にむせび、感泣の声四隣に聞こゆという。あたかもわが真宗信徒の、その法主を....
法然行伝」より 著者:中里介山
いをおたてになったのだ。――」 ということを懇《ねんごろ》に教えたので、遊女は随喜の涙を流した。法然その態を見て、 「この遊女は信心堅固である。定めてよき往生....
かもめ」より 著者:神西清
くことと言ったら同じことばかり。それでわたしは、知り合いのそんな注目や、讃辞や、随喜の涙が、みんな嘘っぱちで、寄ってたかってわたしを病人あつかいにして、いい加減....
三国志」より 著者:吉川英治
「老僧、何をなさいます」と、手を取った。 老僧は、彼の手にふれると、なおさら、随喜の涙を流さぬばかりふるえて、額に押しいただきながら、 「青年。――わしは長い....