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随時
「随時〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
随時の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
書きはじめた日記三十五冊、これらは勿論あきらめるよりほかはない。そのほかにも私が
随時に記入していた雑記帳、随筆、書抜き帳、おぼえ帳のたぐい三十余冊、これも自分と....
「山崎合戦」より 著者:菊池寛
のであろう。 山崎で戦うとすれば、大切な要地は天王山である。光秀が之を取れば、
随時に秀吉の左翼から、拳下りに弓鉄砲を打ち放して切ってかかることが出来るし、秀吉....
「蓄音機」より 著者:寺田寅彦
て起こされた電流の変化を、電磁石によって鋼鉄の針金の付磁の変化に翻訳して記録し、
随時にそれを音として再現する装置もすでに発見されて、現にわが国にも一台ぐらいは来....
「コーヒー哲学序説」より 著者:寺田寅彦
コーヒーのようなぜいたく品は用いなかった。そうして牛乳に入れるための砂糖の壺から
随時に歯みがきブラシの柄などでしゃくい出しては生の砂糖をなめて菓子の代用にしたも....
「糸車」より 著者:寺田寅彦
残っているこの「糸車の祖母像」は没後四十六年の今日でも実に驚くべき鮮明さをもって
随時に眼前に呼び出される。 この糸車というものが今では全く歴史的のものになって....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
全と不規則と危険に満ちている。左右にゆらゆら動きながら、思っただけの速度の緩急を
随時に行いつつ走るので心を束縛することがなく、気随気ままを振舞うことが出来る。気....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
御趣向だね。」 「どうだ、今の家には限らずな、どこでも可いぞ、あの印の付いた家を
随時|窺って見い。殊に夜な、きっと男と女とで、何かしら、演劇にするようなことを遣....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
信仰の足らない信徒を狼に噛み殺させてイケニエにする行事だそうで、本殿の奥に於ては
随時不信の徒をとらえて行われているそうですが、一般信徒に公開して行われるのは十一....
「京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
大変に楽な後見ではございましたものの、ああした舞台でも、人を人と思わぬ傲慢さが、
随時に現われまして、踊りの手を、自分勝手におかえになるほどのことは、常時でござい....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
の中端にある同じ会社の姉妹坑だった。そこには専属の技師のほかに、滝口立山の両坑を
随時一手に引受ける、謂わば技師長格の菊池技師が、数日前から行っている筈であった。....
「道〔扉の言葉〕」より 著者:種田山頭火
じている。 句作の道――道としての句作についても同様の事がいえると思う。句材は
随時随処にある、それをいかに把握するか、言葉をかえていえば、自然をどれだけ見得す....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
の頃は「さようならを告げる心持ちの根拠」について考えています。万人と万物とを随所
随時に愛することのできる自由の境地は私たちの最ものぞむところながら、「造られるも....
「十番雑記」より 著者:岡本綺堂
ら書きはじめた日記三十五冊、これらは勿論あきらめるより外はない。そのほかにも私が
随時に記入していた雑記帳、随筆、書き抜き帳、おぼえ帳のたぐい三十余冊、これも自分....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
を得たのは、彼らが谷間に粗末な小屋を作ってその中に住し、そこが都合が悪しくなれば
随時他の適当な地に移る。所謂水草を逐うて移住するもので、あたかも蝦蟆すなわちクク....
「文章を作る人々の根本用意」より 著者:小川未明
によって極めて微妙な思想へまで導いてゆくものである。 読むことから、われ/\の
随時に獲たあるものに対して、統一を与え組織を与えるものは、実に思索の賜物である。....