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隔たり
「隔たり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
隔たりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
字書をひいてはっきりと意味を知ることができた。いい言葉だと思った。
段と段との
隔たりが大きくておまけに狭く、手欄《てすり》もない階子段を、手さぐりの指先に細か....
「親子」より 著者:有島武郎
に流れこむのを覚えた。彼ももどかしく不愉快だった。しかし父と彼との間隔があまりに
隔たりすぎてしまったのを思うと、むやみなことは言いたくなかった。それは結局二人の....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
に多少の遠慮もあるが、外で働いてる時には遠慮も憚りもいらない。時には三丁と四丁の
隔たりはあっても同じ田畝に、思いあっている人の姿を互いに遠くに見ながら働いている....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
間は長く感じたところで数は知れている。人の夫とわが夫との相違は数をもっていえない
隔たりである。相思の恋人を余儀なく人の夫にして近くに見ておったという悲惨な経過を....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
会わずにいるにもたえられない。惨として死のにおいが満ちた室にはいって、すでに幽明
隔たりある人に会うた。胸部のあたりには、生の名残りの温気がまだ消えないらしい。 ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
くいう軍人の頭の具合にも困ったものである。目で見る字と、耳から聞く言葉とに大きな
隔たりがあることぐらい、わかっていさそうなもの、大衆相手の情報なんだから、大衆向....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
。 するとヨットは急に軽く浮き上って、泡の線と吃水線の間には、平均五|吋ほどの
隔たりが出来てしまった。成る程これでは、小さな浪ぐらいでは、とても全部の泡を消す....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うして一年あまりを過ごしたが、何分にも江戸の四谷と甲州街道の調布ではその通い路が
隔たり過ぎているので、二人のあいだに身請けの相談が始まった。 こうなると親にも....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
が林を出て、モルガンは五、六ヤードも前進せる時、やや前方に当たれる右側のすこしく
隔たりたるところに、獣のたぐいが藪を突き進むがごときひびきを聞けり。その響きは突....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
。 木津は柿の実の名所とかや。これをひさぐもの、皆|女にて、市よりおよそ六七里
隔たりたる山中の村よりこの橋の上に出で来るなり。夜更けては帰るに路のほど覚束なし....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
いぶかしく思ひしか、恐る/\申すやうは、先代塩原の家は当所より北の方(三里余)へ
隔たりし下新田村と申すなりと、こま/″\と物語り、わたくしは初代の甥にあたる金右....
「妖怪学」より 著者:井上円了
に二、三の例を挙ぐれば、一夜、父母の病気およびその死亡を夢中に見て、翌朝、数百里
隔たりたる郷里へ問い合わせて、その実を得たるがごとき、あるいは翌朝郷里よりの音信....
「迷信解」より 著者:井上円了
さぬ。よってこれより、真怪の一端を述べて結論といたそうと思う。 世に遠方数百里
隔たりたる所の変事が、自然の感通によりて知ることができる。その一例は夢の感通であ....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
と土は濡れて心持がわるい。折々白い霧は麓から巻き上げてきて、幹と幹との間を数丁の
隔たりに見せる。峠を越して少し下り道のところで若者に別れ、これからは独りでかなり....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
わが国と同じからず。要するに、世界文明の中心を欧州とするときは、その中心より最も
隔たりたる地はチリ国なり。かかる国がたとい多少の欠点は免れ難きも、今日世界の文明....