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「隔離〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

隔離の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
れたその晩、葉子は担架に乗せられたそのあわれな小さな妹に付き添ってこの大学病院の隔離室に来てしまったのであるが、その時別れたなりで、倉地は一度も病院を尋ねては来....
老妓抄」より 著者:岡本かの子
生活を望むようになった。芸者屋をしている表店と彼女の住っている裏の蔵附の座敷とは隔離してしまって、しもたや風の出入口を別に露地から表通りへつけるように造作したの....
新日本の進路」より 著者:石原莞爾
た老人夫婦は若夫婦の上に何等の憂も懸念ももつ必要はない。それぞれの夫婦は、完全に隔離された別室をもち、常に自由なる人生を樂しむであろう。そこでは新民法の精神を生....
映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
し、社会問題としての癩は、その解決が必ずしも至難ではない。先進諸国の例に見ても、隔離政策の徹底的遂行によって、癩はほとんど絶滅あるいはそれに近い状態に達している....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
た。 だが、矢走千鳥は無事に生きていた。彼女は多摩川を眼下に見下ろす、某病院の隔離病室のベッドの上で、院長の手厚い介抱をうけていた。 「もう大丈夫です。静かに....
三狂人」より 著者:大阪圭吉
に対しても社会に対しても甚だ危険の多いものであるから、これを社会的な自由生活から隔離して充分な監護と患者自身への精神的な安静を与えるためには、どうしても一定の組....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
だ。 「それではすぐ話にかかります。まずみなさん方をしばらくの間、ひとりひとりに隔離します。私たちは手わけして質問にゆきます」 「それはいけない。われわれの行動....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
して、いつも一層堕落せしむるようにばかり仕向けて居る。犯罪者は須らく悪の影響から隔離され、高潔なる空気に浴しつつ、善霊の感化を充分に受け得られるように、工夫して....
獄中消息」より 著者:大杉栄
の花を賞したことがない。 この監獄では僕等の運動場の向うに、肺病患者などのいる隔離監というのがあって、その周囲の花壇がいつも僕等の目を喜ばしてくれる。本年も四....
頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
三日目には師範学堂の学生がたちまち六本の辮子を剪り落した。晩になると六名の学生は隔離された。この六名は学校に行《ゆ》くことも出来ず、家《うち》へ帰ることも出来ず....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
稲を納めたり、籾を落としたりするための小屋は必要であったはずで、それを経時の例の隔離舎に使用していたものであろう。 ところで特にこの仙北地方に、他では半人また....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
てしまいますが、交通の極めて不便な、嶮しい山が海岸にまで逼っていて、地理的に他と隔離された所とか、或いは離れ小島だとかいう所には、往々にしてこれが遺る。その中に....
「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
る特殊の一大部族これあり、彼らは同じく陛下の赤子にてありながら、一般社会より疎外隔離せられ、最も気の毒なる状態の下に、不遇の生活を送りおり候う事、世人のひとしく....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
たことは、既に述べた通りである。そして平安朝以後における新賤民が、ことに社会から隔離忌避されるに至ったのは、やはりこの触穢禁忌の思想の、一層濃厚になった為である....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
し今日のような交通通信の行き届いた時代において、その地方をのみ、特にその宣伝から隔離せんとすることは、到底不可能な次第であります。現に関東地方の如き、私ども平素....