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「際高〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

際高の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老ハイデルベルヒ」より 著者:太宰治
階で小説を書いて居ると、下のお店で朝からみんながわあわあ騒いでいて、佐吉さんは一際高い声で、 「なにせ、二階の客人はすごいのだ。東京の銀座を歩いたって、あれ位の....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
かなかった。ただ上部《うわべ》から見て平生の調子と何の変るところもない母が、この際高木と僕を比較して、腹の中でどう思っているだろうと考えると、僕は母に対して気の....
草枕」より 著者:夏目漱石
きだろう。 こうやって、美しい春の夜に、何らの方針も立てずに、あるいてるのは実際高尚だ。興|来《きた》れば興来るをもって方針とする。興去れば興去るをもって方針....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
ると、大なる穂高山は、乱杭歯のような肩壁を張りつめて、奥の穂高とおぼしきは、一と際高く黒縅の岩石を空に抜き出で、御幣岳は最も近く峰頭を尖らせ、南の穂高は残りの雪....
青年」より 著者:森鴎外
るともなく、うしろめたいような気がして来たので、ぶらぶら歩き出した。夜に入って一際高くなった、早川の水の音が、純一が頭の中の乱れた情緒の伴奏をして、昼間感じたよ....
勝利したプロレタリアのメーデー」より 著者:宮本百合子
ウラーアァ※ 轟く歓呼の声の下で、動き出したぞ!「インターナショナル」の一際高い奏楽といっしょに、先ず先頭の赤旗が広場へ向って静かに繰り出した。 続いて....
町の展望」より 著者:宮本百合子
し音楽は消えたのではない。赤い爪革、メリンス羽織、休み日の娘が歌う色彩の音楽は一際高く青空の下に放散されて居る。―― 町の人々はもう馴れっこに成ってしまったの....
真夜中から黎明まで」より 著者:豊島与志雄
楽が、何処ともなく起ってくる。空には星の囁き、地上には遠く応え合う反響、そして一際高く、鶏の声、車の響、汽笛の音、それらの底に籠ってる人声。一時のとろりとした仮....
女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
てみたのです。 祭壇には、常子さんの遺骨が花や供物に埋もれ、常子さんの写真が一際高くかかげられております。たぶん、お丈夫な時の写真でしょうが、私は初対面なので....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
!」という例の声が、植木師の声などとは思われないような、威嚇的の調子をもって、一際高く響きわたり、ふいに行列が立ち止まった。 数人の植木師が走って来て、一所へ....
地上」より 著者:島田清次郎
平一郎の唱歌に聴きいる少女(和歌子だ)、その少女にあの「いろはよ」のところを一と際高く唄った心持――平一郎には懐かしく思うのは自分のみではなく、和歌子もまた自分....
抱茗荷の説」より 著者:山本禾太郎
けは確かだと思うたった一つの記憶は、背戸に立って左の方を眺めると、はるか遠くに一際高く槍のように尖った山が見え、その頂きにただ一本の大きな松の木があったことであ....
丸の内」より 著者:高浜虚子
な雨なら雪駄で辛抱するが、大降になって来ると、止むを得ずカラコロ/\党になる。実際高下駄で石の階段を上り下りするのはあぶない。それにアスファルトの上などではすべ....
民芸とは何か」より 著者:柳宗悦
等でないものを指すため、ひいては粗末なもの、下等なものという聯想を与えました。実際高級な品、すなわち上等品に対してこの言葉を用いる時が多いため、雑器など云うと侮....
山の人生」より 著者:柳田国男
るで夜道怪のようだと土地ではいうから、大方そんな風態の者だろうとのことである。実際高野聖は行商か片商売で、いつも強力同様に何もかも背負うてあるいた。そうして夕方....