» 障え

「障え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

障えの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
、窓ガラスのむこうは雪と闇とのぼんやりした明暗になってしまった。自然は何かに気を障えだしたように、夜とともに荒れ始めていた。底力のこもった鈍い空気が、音もなく重....
親子」より 著者:有島武郎
したが、彼は父に対する胸いっぱいの反感で見向きもしたくなかった。それでも父は気に障えなかった。そしてしかたなしに監督に向きなおって、その父に当たる人の在世当時の....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
穏なり、積んだものを見たばかりで、鶴谷様御用、と札の建ったも同一じゃで、誰も手の障え人はござりませぬで。 爺どのは、這うようにして、身体を隠して引返したと言い....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
あまりに微妙|幽邃を極めております。光の中に泳ぐ光とでも申しましょうか。実は眼に障える何物もないのであります。骨の中の髄漿と申しましょうか、明瑩々、玲瓏そのもの....
二少女」より 著者:国木田独歩
惑したお富は流石女同志だけ初めから気が付いていた。お秀の当惑の色を見て、 「気に障えちゃいけないことよ、あの……」 「何に、どうにか致しますよ」とお秀は少し顔を....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
と苦い言葉を吐いた、如何にも権田の云った通り、気位の高い女で、痛く余の言葉を気に障え、再び余とは交わらぬ程に思って居ると見える、余は憐れむ可き有様と他人が見たら....
雁坂越」より 著者:幸田露伴
ら先はもう死んだ気になってしまって打たれていたが、余りいつまでも打たれている中に障えることの出来ない怒が勃然として骨々節々の中から起って来たので、もうこれまでと....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
ょう、実に面白うげす……此の家の※ころ餅が旨いから私は七つ食べましたら少し溜飲に障えました」 幸「手塚屋は古河の在手塚村の者が出て売始め、今では上等の菓子屋に成....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
玄と申すが、只今|喰酔っておりまして失礼の事のみ申上げ甚だ相済まんが、何卒お気に障えられぬよう、当人に成り代り圖書がお詫を申上げます、殊に自分も尊兄のお出をお待....
地上」より 著者:島田清次郎
の平一郎は無意識に内より湧く生命のままに生きて来たが、はやくも若木は社会の制約に障えられねばならない。それが槲の木の運命である。彼は夢からさめたような、未知の原....