障壁[語句情報] » 障壁

「障壁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

障壁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
き始めた。 いかにつまらない事務用の通信でも、交通|遮断《しゃだん》の孤島か、障壁で高く囲まれた美しい牢獄《ろうごく》に閉じこもっていたような二人に取っては予....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
こからユーフラテス(Euphrat)河が源を発している。地はその周囲を一列の高い障壁で取り囲まれ、そして地とこの壁との中間のくぼみに何人も越えることのできない大....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を殺すとでも云いましたかな。いや、事実あの方には、とうてい打ち壊すことの出来ない障壁があるのです」 それに、レヴェズ氏が割って入った。そして、相変らず揉み手を....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
かった。この機会、最後の密林のなかでヤンを殺ろう。と、身丈ほどもある気根寄生木の障壁、そのしたに溜っているどろりとした朽葉の水。それが、燈火へ飛びこむ蛾の運命と....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
女の着物は微風に動かされることさえもなかった。それほどにかれらの間には、肉体的の障壁がいちじるしかった。 まれに男がこの限界を超えるような誘惑を受けるように思....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ソ連勢力と、必死にインドをまもろうとするイギリスの防衛策。ちょうどその間へ自然の障壁のように「大地軸孔」をふくむアフガニスタン領が伸びている。してみると、いま独....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
ると、そこの稜角で真っ二つに截ち切られ、ヒュッと喚声をあげる。そして、高い潮煙が障壁から躍り上がって、人も巌も、その真白な飛沫をかぶるのだった。 風も六月の末....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
も、わかることである。 この表現の苦悩を積むほかに、唯一つの違った方法が、技工の障壁を突破させるであろう。古代詩に著しく現れた情熱である。その激しい律動が、表現....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の浮気娘の心に通じていて、そのまわりには気まぐれや浮気の迷路があり、絶えず困難や障壁が次々とあらわれるのだ。それに、彼が出あわなければならない恐ろしい敵軍は、血....
健康三題」より 著者:岡本かの子
が見えた。部屋の反対側の窓を開けると相模川の河口の南湖の松林を越して、大山連山の障壁の空に、あっと息を詰めるほど白く見事に富士の整った姿がかかっていた。そして上....
」より 著者:岡本かの子
代る道を海外貿易に求めた。近頃になっては、昭和五年に世界各国は金禁止に伴って関税障壁を競い出した。鼈長の拓きかけた鼈甲製品の販路もほとんど閉された。支那事変の影....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
を持っておりますが、山人なる生蕃の方は、今以てしばしば頑強に抵抗して、融和し難い障壁を設けております。我が内地の古代の山人は、台湾の生蕃の様に永く抵抗する程の事....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
と伍してあえて遜色なきに至らば、自他の融和は自ずから成立し、多年その間に置かれた障壁は、自ずから消滅すべきものである。そして彼らをしてこれをなさしむるには、まず....
「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
する特別の名辞の下に、これを呼号するを要とする所以のものは、そこに或る融和し難き障壁の存する為に外ならずと存じ候う。 実際彼らが一般社会より区別せらるるは、単....
「特殊部落」と云う名称について」より 著者:喜田貞吉
に至っては単に「因襲」の二字を以て解するよりほかはない。「因襲」の二字の鞏固なる障壁あるが為に、彼らは常に疎外せられる。疎外せられるが故に、彼らは生活上にも、品....