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障子
「障子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
障子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
る。伝吉は夜寒《よさむ》の田舎道《いなかみち》を山のかげにある地蔵堂へ行った。窓
障子《まどしょうじ》の破れから覗《のぞ》いて見ると、榾明《ほたあか》りに照された....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
た。
「じゃお父さんにそう言って来ましょう。お父さんもすっかり弱ってしまってね。
障子の方へ向っている耳だけ霜焼けが出来たりしているのよ。」
お鈴は長火鉢の前を....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
い。壁に沿うては、五十に余る本箱が、ただ古びた桐の色を、一面に寂しく並べている。
障子の紙も貼ってから、一冬はもう越えたのであろう。切り貼りの点々とした白い上には....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
私の起臥《きが》していた書院造りの八畳は、日当りこそ悪い憾《うらみ》はあったが、
障子襖《しょうじふすま》もほどよく寂びのついた、いかにも落着きのある座敷だった。....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
いばあ》さんが、突然かすかな叫び声を洩らした。この家《うち》では台所と云っても、
障子|一重《ひとえ》開けさえすれば、すぐにそこが板の間《ま》だった。
「何? 婆....
「葱」より 著者:芥川竜之介
だ。第一おれが田中君の紹介の労を執《と》っている間に、お君さんはいつか立上って、
障子を開けた窓の外の寒い月夜を眺めているのだから。
瓦屋根《かわらやね》の上の....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
》に角《かく》最後の仕事はきょうの夜明け前に片づいていた。
寝床の裾《すそ》の
障子には竹の影もちらちら映っていた。僕は思い切って起き上り、一まず後架《こうか》....
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
から、これで叩くのかなと思っていると、まだ、それを手にしない中《うち》に、玄関の
障子《しょうじ》のかげにいた人が、「どうぞこちらへ」と声をかけた。
受附のよう....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
立てきった
障子《しょうじ》にはうららかな日の光がさして、嵯峨《さが》たる老木の梅の影が、何....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
される。両岸の家々はもう、たそがれの鼠色《ねずみいろ》に統一されて、その所々には
障子《しょうじ》にうつるともしびの光さえ黄色く靄《もや》の中に浮んでいる。上げ潮....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
急に夏羽織の腰を擡《もた》げて、※々《そうそう》店の方へ退こうとした。その途端に
障子が明くと、頸《くび》に湿布《しっぷ》を巻いた姉のお絹《きぬ》が、まだセルのコ....
「少年」より 著者:芥川竜之介
か来たのであろう、鶴《つる》よりも年上の女中が一人、湯気《ゆげ》の立ちこめた硝子
障子《ガラスしょうじ》をあけると、石鹸《せっけん》だらけになっていた父へ旦那様《....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
もう初秋《しょしゅう》にはいっています。僕はけさ目を醒《さ》ました時、僕の部屋の
障子《しょうじ》の上に小さいY山や松林の逆《さか》さまに映っているのを見つけまし....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
へ眼をやってしまった。そのほかは、勿論、唖《おし》のように口をつぐんで、じっと襖
障子《ふすましょうじ》を見つめている。顔には、何の感情も浮んでいない。
所が、....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
作主の雇いしものならんと人も疑わざりしを、深沢が見咎めて糺せば詞窮して担いかけし
障子|襖を其所へ捨て逃げ去りしなりというに、東京という所の凄じさ、白昼といい人家....