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隠し立て
「隠し立て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
隠し立ての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
れても、知らない事は申されますまい。その上わたしもこうなれば、卑怯《ひきょう》な
隠し立てはしないつもりです。
わたしは昨日《きのう》の午《ひる》少し過ぎ、あの....
「或る女」より 著者:有島武郎
しそうな様子で出迎えて、兄でも敬《うやま》うようにもてなして、やや落ち付いてから
隠し立てなく真率に葉子に対する自分の憧憬《しょうけい》のほどを打ち明けたので、木....
「或る女」より 著者:有島武郎
葉子を見ると、なおさら勝手が違って、これがあの葉子なのかというように、驚きの色を
隠し立てもせずに顔に現わしながら、じっとその姿を見た。
「まあ義一さんしばらく。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
もう一度きくが、たしかになんにも知らねえか」 「存じません」 「よし、どこまでも
隠し立てをするなら仕方がねえ、ここで調べられねえから一緒に来い」 彼はお元の手....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
以来注意して窺っていると、彼はなんだか落ち着かないところがある。自分に対して何か
隠し立てをしていることがあるらしい。それが面白くないので、半月ほど前にも自分は彼....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
お前さんと倉田屋の姉娘とは係り合いを逃がれられねえ。さあ、今更となっていつまでも
隠し立てをしているのは、よくねえことだ。親たちに苦労をかけ、家じゅうの者をさわが....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
温和しさをもって聞き入れるのだった。それから僕の方をキッと睨んで、 「浅間さん、
隠し立てをしたり、その筋へ密告したりすると、そのときはこのあたしが只じゃ置かない....
「地球盗難」より 著者:海野十三
す」 ドクトル、シュワルツコッフは大隅学士を辻川博士の助手と考えたものか、別に
隠し立てもせず、スラスラと話すのであった。しかしドクトルの話の内容は、大隅学士を....
「河明り」より 著者:岡本かの子
すわ」と燥いでいった。 「ところが、事務のことばかりの手紙で」 芸妓はこの娘が
隠し立てしたり、人を逸らかしたりする性分ではないのを信じているらしく、それを訊く....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も、半七に睨まれてさすがにうろたえた。なにぶんにも相手が相手であるので、なまじい
隠し立てをしてはよくないと早くも観念したらしく、かれは正直に白状した。 「実はわ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
殺そうと思ったあいつはもう死んでいる。おめえの念もとどいた以上、今さら未練らしく
隠し立てをするにも及ぶめえ。あれはお前の情夫かえ」 「いいえ、決してそんなことは....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
らだこそ大きいが、近在から出て来た田舎者で、見るから正直そうな彼女がとかくに何か
隠し立てをするのが、いよいよ相手の注意をひいた。巡査はおどすように言った。 「隠....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
警察署の調べた所じゃ、御嬢さんを攫ったのは、印度人らしいということだったが、――
隠し立てをすると為にならんぞ」 しかし印度人の婆さんは、少しも怖がる気色が見え....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
疑っているようでした。そうして、たとい少しでも立ち聴きをされたものを、なまじいに
隠し立てをするのは却ってよくないと思ったらしく、小声でこんなことを言い出しました....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
を聞きました。お上人さま、そりゃ本当でござりますか』 蓮如『すでに存じておる以上
隠し立てもなるまい。三井寺方の返事は全くその通りじゃ』 源右衛門『まさかと思って....