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「隠れん坊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

隠れん坊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
づいていて、ところどころに小さな丘があり、そこには八手や五月躑躅が密生していて、隠れん坊にはこの上ない場所だったけれど、まるで谷間に下りたような気持のするところ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
が聞こえて来た。やがて姿を現わしたのを見れば、十数匹の甲州猿であった。 彼らは隠れん坊をやっていた。枝から枝を渡りながら、大はしゃぎにはしゃいでいた。 とり....
Liber Studiorum」より 著者:寺田寅彦
しれない。 これらの事実の関係ははなはだ錯綜していて、考えても考えても、考えが隠れん坊をして結局わからなくなるのである。時代は進むばかりであとへはもどらないは....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ようです。それも、彼等のために開放すべき座敷は開放するように、区別してあるから、隠れん坊をしようとも、鬼ごっこをしようとも、「ここはどこの細道じゃ」をしようとも....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
えの建物の中にある薄暗い一組の室であった。この建物は、少年の頃に他の家々と一緒に隠れん坊の遊びをしながら、そこへ走り込んだまま、元の出口を忘れてしまったものに違....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
際、金というものがない以上は、都会生活の興味の大部分は失われる。こうして不景気に隠れん坊をしているくらいなら、深山《みやま》の中も、根岸の里も、変ったことはない....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
した。その頃は大きな独楽をまわす事が流行っていた。その外、鬼ごっこ、駈けっくら、隠れん坊、すべてそういうような遊びをすると私はいつでも負けた。そうして男のくせに....
二つの短い話」より 著者:ケネディパトリック
声で囀り出した時には猶更のことです。 彼はぐるぐるまあるく部屋を飛び廻り夫人と隠れん坊をして遊びました。庭へ飛び去ったかと思うと又忽ち戻って来、夫人の膝に眠っ....
鴨猟」より 著者:豊島与志雄
にもぐってしまうのがある。第一のは即死だ。第二のはびっくり仰天だ。第三のはずるい隠れん坊だ。 そして、傷は、痛みは、流血は、どこにあるのだろう。ターンと響く銃....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
中途でつかえてしまった。すると娘が、こんどもまた二人を当惑から救ってくれた。娘は隠れん坊をしながら、クリストフの椅子《いす》のまわりを回った。クリストフはその途....
次郎物語」より 著者:下村湖人
くら探しても見つからないので、捜索は次第に大袈裟になっていった。いつも子供たちが隠れん坊をして遊ぶ米倉や、櫨の実倉は無論のこと、納屋や、便所や、床の下まで、総が....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
あがりこんで、 「ホトケに線香あげにきたが、ホトケはどこだ、どこだ」 ホトケと隠れん坊しているよう。仏壇の前へドッカと坐りこんで、 「なるほど。この白木の位牌....
次郎物語」より 著者:下村湖人
不思議な世界につれこまれていたといった気持だったのである。彼は、子供たちを相手に隠れん坊をして遊んでいるうちに、おいてきぼりを食った良寛の姿を、夢を追うような気....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
した。きっと荒れた邸をお買いになったのでしょう。曲りくねったお廊下などがあって、隠れん坊をするに好いのです。小さいお嬢さんと夢中になって遊んでいると、お祖母様に....
審判」より 著者:カフカフランツ
ことははっきりとわかった。こうなってはKが完全に振向いてしまわないと、子供じみた隠れん坊遊びになってしまうだろう。Kは振返ると、僧に指の合図で、近くに来るよう呼....