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隠れ場
「隠れ場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
隠れ場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
に目のくらんだ自分の不覚を泣き悔やんだ。木部が狂気のようになって、ようやく葉子の
隠れ場所を見つけて会いに来た時は、葉子は冷静な態度でしらじらしく面会した。そして....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
せた。 「ついぞないこと。どうしたものじゃ」 彼は席を起って清治と一緒に玉藻の
隠れ場所をたずねると、彼女は奥まった亭の薄暗いなかに俯伏しているのを発見した。 ....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
人は文学に逃げ込みました。文学は独立の思想を維持する人のために、もっとも便益なる
隠れ場所であろうと思います。しかしながらただ今も申し上げましたとおり、かならずし....
「聖書」より 著者:生田春月
ようなんて滑稽じゃありませんか。象徴詩なんて、要するに空虚な詩工には持って来いの
隠れ場で、彼等はその中で文字の軽業をやってるだけです」 僕は口がだるくなって止....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
の日から、加州沿岸を去る二十キロメートルの海底の、兼ねて、計画をしてあった屈竟の
隠れ場所に、ゴロンと横たわったまま、昼といわず夜といわず、睡眠病息者のように眠り....
「蠅男」より 著者:海野十三
容易に捕る筈がない。しかもこの界隈は、人間の多いこと、抜け裏の多いことで大阪一の
隠れ場所だ。いまに活動や芝居がはねて、群衆が新世界からドッと流れだしたときには、....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
、少くとも残りの二人だけは、今にきっと、興奮が去って腹でも空いたなら、その勝手な
隠れ場所からノソノソと出て来ますよ。ナニ興奮さえ去ってしまえば危険はありますまい....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
間尺は身をかくしたが、行くさきもない。彼は山中をさまよって、悲しく歌いながら身の
隠れ場所を求めていると、図らずも一人の旅客に出逢った。 「おまえさんは若いくせに....
「○○獣」より 著者:海野十三
ころがなくなった。といって捉ってはどんな目にあうかもしれない。そのとき敬二はいい
隠れ場所をみつけた。それは外国人がホテルへついて荷物を大きな荷造りの箱から出した....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
れなければならなかった。折よく飛行島は出航準備で島内の警戒がゆるんだので、二人の
隠れ場所は安全となったが、それは一時のことである。彼等の運命は、依然として風前の....
「空襲警報」より 著者:海野十三
れている井戸端のうしろへ突きこんだ。 「うわーッ」 それが図にあたって、怪漢は
隠れ場所からピョンと飛びあがった。そしてなおも逃げようとするところを、旗男はエイ....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
出来るくらいでした。人気がまるで無くて、全く深い林の中みたいです。この工合のいい
隠れ場に一|羽の家鴨がその時巣について卵がかえるのを守っていました。けれども、も....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
は秋森家の長い石塀だ。左側は某男爵邸の裏に当る同じような長い高い煉瓦塀だ。恐らく
隠れ場所とてない一本道――。だが、犯人はいない! 犯人の代りに通りの向うから、....
「馬妖記」より 著者:岡本綺堂
い足音がきこえた。 「来たらしいぞ。」 二人は息をころして窺っていると、彼らの
隠れ場所から十|間余りも距れたところに、一つの大きい黒い影の現れたのが水明かりで....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
年二十年はおろか、百年千年棲んでいても、誰に見付け出さるる虞れはあるまい。お身の
隠れ場所はかしこよりほかにない。さあ、行かれい。わしが案内する。」 彼は先きに....