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隠れ家
「隠れ家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
隠れ家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ひん》として、木部は葉子一人のものとなった。
木部はすぐ葉山《はやま》に小さな
隠れ家《が》のような家を見つけ出して、二人はむつまじくそこに移り住む事になった。....
「或る女」より 著者:有島武郎
て中の様子を見て来て、杉林《すぎばやし》のために少し日当たりはよくないが、当分の
隠れ家《が》としては屈強だといったので、すぐさまそこに移る事に決めたのだった。だ....
「星座」より 著者:有島武郎
けた。彼のペンは容易にはかどらなかった。
アイヌと、熊と、樺戸監獄の脱獄囚との
隠れ家だとされているこの千歳の山の中から、一個の榴弾《りゅうだん》を中央の学界に....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
われても、猟夫に迫られても、逃げ廻った後にはそのみじめな、壊れ易い土の穴に最後の
隠れ家を求めるのだ。私の心もまた兎のようだ。大きな威力は無尽蔵に周囲にある。然し....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ーによって四季が作られた。人間は夏の焼くような暑さ、冬の凍てつく寒さを防ぐために
隠れ家を求めることが必要となった。土地の天然の収穫で満足していられなくなったので....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
びこんだのはアパートメントとは名ばかりの安宿の、その奥まった一室――彼等の秘密の
隠れ家! 「どうだった?」入口の扉にガチャリと鍵をかけると、帆立が云った。 「ウ....
「地獄街道」より 著者:海野十三
どは全身がかゆくなる。かゆくて苦しみ出すころ、自動車は彼女の家の近くに来ている。
隠れ家をくらますために家の近所で降りて、あとはお歩いだ。しかし何分にもかゆくて藻....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
ね天狗の行方を探し求めて、町の隅々から山また山を跋渉した結果、高尾山中に半之丞の
隠れ家を探しあてたけれど、肝心の半之丞も機械人間も遂に見つけることができなかった....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
て眼から追い出されたので、彼の呪われたる死の知識は頭蓋骨の奥底にひそんで、そこを
隠れ家とした。そうして、あたかもその
隠れ家から飛び出して来るように、呪われたる死....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
、震えるよう。 それも心細く、その言う処を確めよう、先刻に老番頭と語るのをこの
隠れ家で聞いたるごとく、自分の居処を安堵せんと欲して、立花は手を伸べて、心覚えの....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
深く深く頭脳の底に刻みつけられて居ります。彼女は私の母と一|緒に、例の海岸の私の
隠れ家に詰め切って、それはそれは親身になってよく尽してくれ、私の病気が早く治るよ....
「寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
を開いたのは、大橋門蔵という百姓でした。森の木を伐ったり、叢を刈ったりしたので、
隠れ家を奪われたと見えて、幾匹かの狸が伝法院の院代をしている人の家の縁の下に隠れ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
誰でもだったが)信乃が滸我へ発足する前晩|浜路が忍んで来る一節や、荒芽山の音音の
隠れ家に道節と荘介が邂逅する一条や、返璧の里に雛衣が去られた夫を怨ずる一章は一言....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
たのであった。ここには松篁が行っている。松篁もそのことを考えたからであった。私も
隠れ家のつもりでそこへ行っている。だけども仕事の手順の上から、ついそこへ行ってい....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
活がしてみたい。おそらくそれが僕にはよい利き目があるだろう。諦念! 何たる悲しい
隠れ家だ! しかも、それのみが今の僕に残されている唯一の
隠れ家だとは!――君の夥....