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「隠れ蓑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

隠れ蓑の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
」 「そうなんだ。だから、そこにもし殺人動機があるものとすれば、ファウスト博士の隠れ蓑――あの五芒星の円が判るよ。しかし、どのみち一つの角度には相違ないけれども....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
っている。「戦争に対する認識は、多枝の抱いていた考えのうちで変ってはいないのに、隠れ蓑を着ているつもりの感情が、隠れ蓑を着たまゝ戦争の実地も見て来てやれ、と思わ....
家常茶飯 附・現代思想」より 著者:森鴎外
通でないとは。 令嬢。新人でございますわ。何んに致せ、あの大勢のいる宴会の中で、隠れ蓑、隠れ笠をでも持っているように致す事の出来た二人でございますから。 画家。....
紫大納言」より 著者:坂口安吾
下さる御礼に、次の月夜に、きっとお届け致しましょう。天女に偽はございませぬ」 「隠れ蓑の大納言とは聞き及びましたが、空飛びの大納言は珍聞です」と、大納言はにやに....
陳情書」より 著者:西尾正
やや》ともすれば二人の姿を見失い勝ちでありましたが、却って其の足繁き人波が屈強の隠れ蓑と成りまして、肩を並べ伏眼加減に人眼を憚りつつ足早やに歩み去る二人の跡を、....
戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
思想的表現なりと勘違いしたか、そうでなかつたら思想をカムフラージュする最も簡易な隠れ蓑としてそれを愛用したのであろう。そしてたまたま服装をその本来の意味に扱つて....
南国太平記」より 著者:直木三十五
あろう。益満休之助、神出鬼没、江戸中を――江戸中の女を、引っ掻き廻す――これが、隠れ蓑」 「腰が、淋しゅうござんせんか」 「野暮な邸の、大小棄てて、と、唄にあろ....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
いあの熊手は誰でも知っている通りのもの。真ん中に俵が三俵。千両|函、大福帳、蕪、隠れ蓑、隠れ笠、おかめの面などの宝尽くしが張子紙で出来て、それをいろいろな絵具で....
俳優への手紙」より 著者:三好十郎
している演劇」と言うのが真赤な嘘であって、実はその様なもっともらしく神聖な言葉の隠れ蓑の中で、私利と私慾を計ろうとする徒輩か、一般的・自由主義的・国際主義的「良....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ほかに堂上人では、御使いに立つべき、ふさわしい人もないとの集議で、ぜひなく、また隠れ蓑を着て忍びの旅に出てまいった次第だが。――ま、申さば、陽春の気と共に、蛇も....
私本太平記」より 著者:吉川英治
しゅうぞんじまする」 「して、いまどこに身を潜めておるのか」 「はや具足師柳斎の隠れ蓑も、住吉の店もあぶなくなりましたので、御領家の丹波|篠村(しのむらとも)へ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
禍いを深うするのみでございますれば」 「はて、遁辞ばかりいわるるの。謙虚はお辺の隠れ蓑か」 「いや、真っ向、腹を申しおりまする」 「なんの、さような辞をたずさえ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ういう遍歴者のすがたこそが、岩松吉致のような、多忙なる風雲の策士には常々恰好な“隠れ蓑”として、利用されていたことかとも想像される。 いずれにしろ、その吉致を....
私本太平記」より 著者:吉川英治
いう者もあった。 「檄の上に、わが名はあらわさず、弟直義の名を唱うなども、這奴の隠れ蓑! 見すかさるるわ」 このとき、坊門ノ清忠はなお、いつもの騒がない語調で....