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隠亡
「隠亡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
隠亡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ました。 突き当たりに小さな小屋がある。 軒は傾き、壁はくずれて、さながらに
隠亡《おんぼう》小屋のような気味のわるい小屋でした。もちろん、ただの小屋ではない....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
殊にそれが川のなかから出て来たことを考えると、ます/\好い心持はしないわけです。
隠亡堀の直助権兵衛という形で、阿部さんはその櫛をじっと眺めていると、どこからかお....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
きつけて、仕事にかかる前のおさき煙草。それを見ると主膳は直ちに、こいつ墓掘りだ、
隠亡《おんぼう》共だわい、と気取《けど》りました。
隠亡が墓地へ墓穴《ぼけつ》を掘....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
をよせて、小さな眼を凄《すご》めに細めて、怪談じみていた。 「僕の母は――お寺の
隠亡《おんぼう》と知っているのだ。」 巌夫は十六位ででもあったのだろう。両親が....
「南北の東海道四谷怪談」より 著者:田中貢太郎
へ往ったが、門口の戸がひとりでにがたりと締って出られなかった。 八
隠亡堀の流れの向うに陽が落ちて、入相の鐘がわびしそうに響いて来た。深編笠に顔をか....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
植村家の浪人徳永隣之介(今は魚ノ棚の料理人)、堀家の旧家臣稲葉甚五郎(今は八事の
隠亡の頭)、小堀家の浪人笹山元次(今は瀬戸の陶器絵師)、屋代家の旧家臣山口利久(....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
を待つ私服の群が、観衆の中で鋭い眼を光らせていた。 いまや舞台は、三幕目砂村|
隠亡堀の場。 背後は高足の土手、上手に土橋、その横には水門、土手の下は腐った枯....
「柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
その綽名は「赤前垂」……もう赤前垂のお杉と云えば、武士階級から町人階級、職人乞食
隠亡まで、誰一人知らないものはなかった。そうしてお仙やお藤のように、詩人や墨客か....
「隠亡堀」より 著者:国枝史郎
来るとな」 鳥渡直助には解らなかった。 二人は暫く黙っていた。 此処は砂村
隠亡堀であった。 一所に土橋がかかっていた。その下に枯蘆が茂っていた。また一所....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
塚鈴本)にて、この演出で驚くべき冴えをみせた。髪の毛のくだりもよく、黒鬼のごとき
隠亡の登場も身の毛をよだたしめ、この仁の前途多幸を思わしめた)。 岡鬼太郎氏が....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
原あたりに打捨《うっちゃり》になり、江戸お構いの女房の拾いでも遅くも夕方までには
隠亡《おんぼう》小屋の煙りになろうという手筈――だったのが、それがどうだ! 「さ....
「憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
め広文庫所引の「山野御房」を見た時には、これ或いは山住の御坊、すなわち俗に所謂|
隠亡の徒ではなかろうかとも考えてみたのであったが、一方にそれを明らかに「山牛蒡」....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
人足ポチ (二十銭宛) 八十銭 一、骨箱 二十五銭 一、
隠亡ポチ (二人分) 四十銭 一、骨上げポチ 四十銭 合....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
エタに類するもの、非人に類するものが、また多かった筈である。例えばかの御坊(俗に
隠亡、穏亡、※坊などとも書く)の一類、すなわち上方地方の宿(夙)、山陰道筋の鉢屋....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
坊主・マイス坊主・オゲ坊主・毛坊主・カッタイ坊主・長吏ン坊・八ン坊・皮坊・御坊(
隠亡)などから、はてはべら坊・泥坊・立ちん坊・風来坊・ケチン坊・シワン坊に至り、....