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「隠匿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

隠匿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俘囚」より 著者:海野十三
たいことを今夜からでもするのだ。 あたしは、それから夕方までを、故《な》き夫の隠匿《いんとく》している財産探しに費《ついや》した。茶の間から始まって、寝室から....
階段」より 著者:海野十三
の曲線をうつした写真が出た。それは多分、三階のどこかに学士が危険を慮って、秘かに隠匿して置いたものであろう。それには明らかに、所長殺害事件のあの時刻に佐和山女史....
爬虫館事件」より 著者:海野十三
のと思う。あの特殊装置というものの中には、きっと血染になった園長の服とか靴とかが隠匿されているのではなかろうか。万年筆は、園長を館の入口で絞めあげるときに落ちた....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
さてそれから、チェリーは室内を葡いまわって、魔薬の入った煙草を探した。遂に煙草の隠匿場所がわかって、八本の特製のゴールデン・バットを手に入れた。彼女はそこで貪る....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
二月十七日 ◯本日よりモラトリヤム施行。 その他関係法令として物価制限令や隠匿物資供出令なども出る。これにて本当に物価が下ってくれればいいが、どうなるので....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
懺悔文が現われてくるのだ。勿論伸子は、それ以前に或る物体を、『接吻』の像の胴体に隠匿しておいた……」 それには、二つの異常な霊智が、生死を賭してまで打ち合う壮....
骸骨館」より 著者:海野十三
のことであるが、恥の上塗りのようなかんばしくない事件がおこった。それはこの工場に隠匿物資があるはずだとて、大がかりな家さがしが行われたのである。その結果、一部の....
奇賊は支払う」より 著者:海野十三
生命は今や絶対に危殆に瀕している。本社は、今より二十四時間以内に問題の繭子夫人の隠匿場所又はその生死を確かめて本社調査部迄密報せられたる方に対し、懸賞金一万円を....
地獄の使者」より 著者:海野十三
ピストルを隠しておくものか。部屋を調べりゃすぐ分るからね」 「そうでない。巧妙な隠匿場所だ」 「それに、あのピストルの弾丸が、どの方向から、そしてどんな距離から....
犬神娘」より 著者:国枝史郎
ご心配あそばされ、吉之助様にお頼みになり、ご上人様をどこへなと安全なところへ、お隠匿いなさろうとなされましたので。最初はご上人様の知己の多い、奈良へでもというこ....
」より 著者:織田作之助
の本を一冊抜きだして、バラバラめくっていると、百円札が一枚下に落ちた。 「おい、隠匿紙幣が出て来たぞ」 「おや、出て来たのか。しかし、隠匿じゃない、忘却紙幣だ。....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
――かかることの絶えざる繰りかえしであった。彼は高飛びをするとか、あくまで盗みを隠匿するとかいう智能は持たなかった。近所の、様子のよく分っている家の米俵をかつい....
旅客機事件」より 著者:大庭武年
見して届け出た農夫が再び警察に出頭して、自分が屍体の懐中からこれだけの札束を横領隠匿したと自白して、五万円の金額を提出したそうです」 「うむ!」検事は頷いた、池....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
るべき破壊力に対し完全な防空は恐らく不可能であろう。各国は逐次主要部分を地下深く隠匿する等の方法を講ずるのであろうが、恐らく攻撃威力の増加に追いつかぬであろう。....
自来也の話」より 著者:岡本綺堂
こえ高い才子であったが、何分にも証拠がないので裁くことが出来ない。どこかに賍品を隠匿しているであろうと詮議したが、それも見あたらない。さりとて迂闊に放免するわけ....