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隠居
「隠居〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
隠居の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春の夜」より 著者:芥川竜之介
ゆ》くことになった。野田と云う家には男主人はいない。切《き》り髪《がみ》にした女
隠居《おんないんきょ》が一人、嫁入《よめい》り前《まえ》の娘が一人、そのまた娘の....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
色《けしき》もなく、ただ、毎日この新築の書斎に閉じこもって、銀行家と云うよりは若
隠居にでもふさわしそうな読書|三昧《ざんまい》に耽っていたのです。これは勿論一つ....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
から茂作が重病になると、稲見には曽祖母《そうそぼ》に当る、その切髪《きりがみ》の
隠居の心配と云うものは、一通《ひととお》りや二通《ふたとお》りではありません。が....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
。」
そこへ松が台所から、銀杏返《いちょうがえ》しのほつれた顔を出した。
「御
隠居様。旦那様がちょいと御店へ、いらして下さいっておっしゃっています。」
「はい....
「老年」より 著者:芥川竜之介
たちばかりで、それに小川の旦那《だんな》や中洲の大将などの御新造《ごしんぞ》や御
隠居が六人ばかり、男客は、宇治紫暁《うじしぎょう》と云う、腰の曲った一中の師匠と....
「路上」より 著者:芥川竜之介
郷森川町でも、比較的閑静な一区劃にあった。それも京橋辺《きょうばしへん》の酒屋の
隠居所を、ある伝手《つて》から二階だけ貸して貰ったので、畳《たたみ》建具《たてぐ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
、最後の手段に訴える覚悟をした。最後の手段と云うのは、ほかでもない。修理を押込め
隠居にして、板倉一族の中から養子をむかえようと云うのである。――
何よりもまず....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
、霊顕《れいけん》があると云うのです。「君も知っているだろう。ついこの間魚政の女
隠居が身投げをした。――あの屍骸《しがい》がどうしても上らなかったんだが、お島婆....
「星座」より 著者:有島武郎
。
「まあお父さんの胸の中もひととおり聞いてくれ。俺も五十二になる。昔なら殿様に
隠居を願いでて楽にくつろぐ時分だが、時世とはいい条《じょう》……また、清逸の奴が....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
内に六勝亭《ろくしょうてい》と呼べる席貸《せきが》しにて、主翁《あるじ》は富裕の
隠居なれば、けっこう数寄《すき》を尽くして、営業のかたわらその老いを楽しむところ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
をお着けな。」 帽子をすっぽり亀の子|竦みで、 「ホイ阿陀仏、へい、あすこにゃ
隠居ばかりだと思ったら……」 「いいえね、つい一昨日あたり故郷の静岡からおいでな....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
んと支くと、後の雁が前になって、改札口を早々と出る。 わざと一足|後へ開いて、
隠居が意見に急ぐような、連の後姿をじろりと見ながら、 「それ、そこがそれ捻平さね....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
いのない処で、将棊は素人の二段の腕を持ち、碁は実際初段うてた。それ等がたよりで、
隠居仕事の寮番という処を、時流に乗って、丸の内辺の某|倶楽部を預って暮したが、震....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
逃れ、わずらわしいことばかり多かった人生の余暇を静かに夢みながら暮すことができる
隠居所をもとめるならば、この小さな渓谷にまさるところは知らない。 このあたりに....
「「ああしんど」」より 著者:池田蕉園
いになっていたそうで御座いますよ。もう年を老ってしまっておりましたから、まるで御
隠居様のようになっていたんで御座いましょうね。 冬、炬燵の上にまあるくなって、....