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隠約
「隠約〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
隠約の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
げろく》の中にも発見出来ない。メリメは告白を嫌った人である。しかし「コロンバ」は
隠約《いんやく》の間に彼自身を語ってはいないであろうか? 所詮告白文学とその他の....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
状を思うより前に――何となく今も遥かに本所の方へ末を曳いて消え行く心地す。何等か
隠約の中に脈を通じて、別の世界に相通ずるものあるがごとくならずや。夜半の寝覚に、....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
大病、思いがけないその兄の内へともなわれる……何となく人間の離合集散に、不思議な
隠約があるように思われて。――私は宿で、床の上で、しばらく俯向いて、庭の松風を聞....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
害を除いた事がある。我邦では西洋の事物を持って来てもその運用法を知らんから随分|
隠約《いんやく》の間に鉛毒を受けている人があるかもしれない。今はなくとも水道の使....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
思うね。それにむしろ東洋の芸術精神は実を徹して虚に放ったところにあるのだからね。
隠約とか省筆とかだ。で、実相の観入といったところで、単なる平面描写の写生とは少く....