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隣境
「隣境〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
隣境の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富貴発跡司志」より 著者:田中貢太郎
。 「―県の―は、米を二千石持っておったが、この頃の旱魃と虫害で、米価があがり、
隣境から糴がこなくなって、餓死人が出来たので、倉を開いて賑わしたが、元価を取りて....
「苦しく美しき夏」より 著者:原民喜
はふらりと立上って台所から下駄をつっかけて狭い裏の露次へ歩いて行ったが、何気なく
隣境の空を見上げると高い樹木の梢《こずえ》に強烈な陽の光が帯のように纏《まつ》わ....
「蠅」より 著者:宮本百合子
もいなかった蠅が十匹近く、天井や電燈の周囲に群とんでいる。東向に肱かけ窓があり、
隣境のトタン塀に烈しく反射する日光で四畳半はまるで明るい。蠅共はひどく、正午近い....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
る。水棚の上も横の瓦斯コンロも綺麗に掃除してある。その先は湯殿と、便所と物置で、
隣境いの黒板塀との間に金盞花が植えてある。 私は慌てて押入を開けてみた。鼠の糞....
「三国志」より 著者:吉川英治
百里のあいだ、烟火連々と陣線をひいて、呉の境を威圧した。 この時、呉主孫権も、
隣境の変に万一あるをおそれて、柴桑城(廬山、※陽湖の東南方)まで来ていたが、事態....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
他のいずれよりも弘いのである。 美作・備中のサイジまたはサイジンボは、恐らくは
隣境のダイジとの婚合であろうと思うが、これにも別になお一系統の尋ね得られるものが....