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「隣家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

隣家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
に立つ、狩猟服の若い紳士たちは、失礼ながら、犬ころしに見える。 去年の暮にも、隣家の少年が空気銃を求め得て高く捧げて歩行いた。隣家の少年では防ぎがたい。おつか....
婦系図」より 著者:泉鏡花
の縁日に、桜草を買ったついでに、可いのを撰って、昼夜帯の間に挟んで帰った酸漿を、隣家の娘――女学生に、一ツ上げましょう、と言って、そんな野蛮なものは要らないわ!....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
柱で、ずッと壁で、壁と壁との間が階子段と向合せに※子窓のように見える、が、直ぐに隣家の車屋の屋根へ続いた物干。一跨ぎで出られる。……水道尻まで家続きだけれども、....
春昼」より 著者:泉鏡花
を持余した、塩梅な。 これを機会に立去ろうとして、振返ると、荒物屋と葭簀一枚、隣家が間に合わせの郵便局で。其処の門口から、すらりと出たのが例のその人。汽車が着....
薬草取」より 著者:泉鏡花
るとその豆腐の桶のある後が、蜘蛛の巣だらけの藤棚で、これを地境にして壁も垣もない隣家の小家の、炉の縁に、膝に手を置いて蹲っていた、十ばかりも年上らしいお媼さん。....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
撞くぐらいにしか考えなかった。が、まあ、爺が死ぬ、村のものを呼ぼうにも、この通り隣家に遠い。三度の掟でその外は、火にも水にも鐘を撞くことはならないだろう。 学円....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
「この野郎、どこから入った。ああ、――そうか。三畳の窓を潜って、小こい、庭境の隣家の塀から入ったな。争われぬもんだってば。……入った処から出て行くだからな。壁....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
って、 「へーい、ちっとも知らなかった。」 「私もさ……今ね、内の出窓の前に、お隣家の女房さんが立って、通の方を見てしくしく泣いていなさるから、どうしたんですっ....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
立てます立てますッて、ここまで連れて来るから、途中で小用も出来ずさね、早い話が。隣家は空屋だと云うし、……」 と、頬被のままで、後を見た、肩を引いて、 「一軒....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
は裾まで、素足の白さ、水のような青い端緒。 九 「貴女はその時、お隣家か、その先か、門に梅の樹の有る館の前に、彼家の乳母と見えました、円髷に結うた....
南地心中」より 著者:泉鏡花
明巣にござります。 処へ宗八、丸官閣下お使者といたし、車を一散に乗着けまして、隣家の豆屋の女房立会い、戸を押開いて見ましたれば、いや、はや、何とも悪食がないた....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
ながら鳴物もいかがな訳だって、お嬢様が御遠慮を遊ばすんでございますよ。」 その隣家に三十ばかりの女房一人住みたり。両隣は皆二階家なるに、其家ばかり平家にて、屋....
黒百合」より 著者:泉鏡花
を購った別業の荒れたのである。近所に、癩病医者だと人はいうが、漢方医のある、その隣家の荒物屋で駄菓子、油、蚊遣香までも商っている婆さんが来て、瓦鉢の欠けた中へ、....
三枚続」より 著者:泉鏡花
側に跫音して、奥の方から近いたが、やがてこの座敷の前の縁、庭樹を籠めて何となく、隣家のでもあるか蚊遣の煙の薄りと夏の夕を染めたる中へ、紗であろう、被布を召した白....
式部小路」より 著者:泉鏡花
っとも火のある事は気がついたそうですが、夜中にゃ、こけ勘が帰って来る。それまでは隣家の内が、内職をして起きている、と一つにゃ流元に水のない男世帯、面倒さも面倒な....