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隣席
「隣席〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
隣席の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
しゅ》の音が起った時、彼はわずかにほっとした眼を挙げて、まるで救いを求めるように
隣席の大井《おおい》を振返った。すると大井はプログラムを丸く巻いて、それを望遠鏡....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
人らしき気障《きざ》男、洪水に悩める女の有様などを面白そうに打《うち》眺めつつ、
隣席の連れと覚《お》ぼしき薄髭の痩男に向い、 「どうです、一句出ましたぜ、洪水に....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
じめっ子」というものにめぐり合った。「いじめっ子」は杉浦誉四郎である。これは僕の
隣席にいたから何か口実を拵えてはたびたび僕をつねったりした。おまけに杉浦の家の前....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
、「どうぞ御意見を……」と言った。そして急に立ちあがって「ちょっと便所へ……」と
隣席の川山博士に耳うちをすると、席を立った。そして入口の扉をあけて室外に出ると、....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
「キャッ」 と一声喚いた。女史は極度に興奮してその場に立ちあがろうとするのを、
隣席の老人は笑いながら後から抱きついて止めた。 「呀ッ、これは女の身体だッ。女の....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
ずにいられようか。 「シ、しまった!」 と気がついたときは、もう既に遅かった。
隣席の五十坂を越したと思う男が、年齢の割には素晴らしい強力で、弦吾の利腕をムズと....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
あの正面の円柱が影をつくっているあたりが気に入りませんな」 と大江山捜査課長が
隣席の雁金検事にソッと囁いた。 「そうですな。私はまた、顔を半分隠している客がな....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
いましたよ」 ハンドルを切りながら運転手が云った。 「君は堀見氏を知ってる?」
隣席の紳士だ。 「いいえ、新聞の写真で見ただけです。でも、あの人の熱海の別荘は知....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
癇癪持ちの教師は平手で横っ面をぴしゃりと食らわすのもあった。わたしなども授業中に
隣席の生徒とおしゃべりをして、教鞭の刑をうけたことも再三あった。 今日ならば、....
「海底都市」より 著者:海野十三
まくった。 僕は、ふと博士のことが気にかかって、幕面より目を放すと、横にむいて
隣席《りんせき》の博士の様子をうかがった。 カビ博士は、一心ふらんに、計器を見....
「流線間諜」より 著者:海野十三
べき大計画! あのとき密書が自分の手に入らなかったら……」 帆村は慄然として、
隣席の牧山大佐を顧みた。しかし大佐の姿は、もうそこにはなかった。その代り受話器の....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
…同室の御婦人、紳士の方々も、失礼ながらお聞取を願いとうございます。私は、ここに
隣席においでになる、窈窕たる淑女。」 彼は窈窕たる淑女と云った。 「この令嬢の....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
いた黒髪に包んで、顔も上げない。まことにしとやかな佳人であった。 この片袖が、
隣席にさし置かれた、他の大革鞄の口に挟まったのである。……失礼ながらその革鞄は、....
「春」より 著者:岡本かの子
婢のものごし、服装の工合。何処か中流以上の家庭の若夫人ででもあるらしい。 その
隣席には手足の頑丈な赫ら顔の五十男が手織縞の着物に木綿の兵古帯。艶のよいその赫ら....
「心霊の抱く金塊」より 著者:大倉燁子
格はまず五億万円ほどだ」 と云って、口を真一文字にきゅッと結び、皆を見廻した。
隣席にいた人は、その時、思わず低い呻きのような歎声をもらした。 ....