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「隣組〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

隣組の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
世相」より 著者:織田作之助
た話も教師らしい生硬な語り方で、声もポソポソと不景気だった。 「……壕舎ばかりの隣組が七軒、一軒当り二千円宛出し合うて牛を一頭……いやなに密殺して闇市へ売却する....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ので、こんな夢を見るのであろうが、ひとつ眠り方を変えなければならないと思う。 ◯隣組の防火班長さん、なかなか実直な人で、うちの小路までいつでも「警報解除」を告げ....
わが町」より 著者:織田作之助
おけに。しかし、お宅かてお忙しいでっしゃろさかい、それに、帳面づけや何やかやは、隣組の人がしてくれはる言うことでっさかい」 玄関に立つと、蝶子は、 「そんなら....
骸骨館」より 著者:海野十三
わけであった。 このことは子供仲間に電信のように早く伝わり、ずっと遠いところの隣組の少年少女たちまでが、僕たちあたしたちも仲間に入れてよと申込んで来る始末だっ....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
か」 「そうじゃないよ、岸君。月世界は地球に一等近い星だ。地球にとってはいわゆる隣組さ。月世界の役割は今後ますます重要になる。つまり月世界をまずわれら地球人類の....
四次元漂流」より 著者:海野十三
路へでてしまったが、そこにも姿はなかった。 このとき道夫の叫び声を聞きつけて、隣組の人々がばらばらとかけつけてきた。そして道夫にわけをたずねたので彼はそのわけ....
火星兵団」より 著者:海野十三
、中にはたいへん広がったところもあったが、多くは、日頃訓練のとれている警防団や、隣組などの働きで、余り大きくならないうちに消しとめられた。一番被害の大きかったの....
現代の詐術」より 著者:坂口安吾
もう二時に列ばないと買えなくなってしまう。 なぜ私が買えなかったか。私はつまり隣組共同戦線に敗れたのである。朝の三時といえば全然まっくらで、列んでいても、私の....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
上に五升づゝ一斗のお米を両手にぶらさげて足先で裏戸をあけてはいつてくる、女だから隣組の用もたす、米も炊く、お掃除おセンタク、捨てがたい手腕があるから、よからう、....
わが妻の記」より 著者:伊丹万作
ことを訴える。戦争中は激しい勤労奉仕が多く、ことに私の家では亭主が病んでいるため隣組のおつき合いは残らず妻が一手に引受けねばならず、見ていてはらはらするようなこ....
戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
末端行政の現われ方や、新聞報道の愚劣さや、ラジオのばかばかしさや、さては、町会、隣組、警防団、婦人会といつたような民間の組織がいかに熱心にかつ自発的にだます側に....
予告殺人事件」より 著者:坂口安吾
民で、日本人がシンから悲観し打ちのめされるなどということは殆ど有り得ぬ。 私の隣組は爆弾焼夷弾雨霰とも称すべき数回の洗礼を受けたのであるが、幼児をかかえた一人....
人生三つの愉しみ」より 著者:坂口安吾
屋をかり、自炊して湯治する。又、農村ではモライブロという風俗があり、いわば一ツの隣組で、代り番に自宅で風呂をたいて共同で浴する。必ずしも経済のためではなく、石ブ....
」より 著者:織田作之助
すめるそうだが、そんなことはけろりと忘れた顔をして、忙しく派手に立ち働いている。隣組の組長もしているという。三十歳そこそこの若さでだ、阿修羅みたいにそんなに仕事....
終戦前後」より 著者:織田作之助
いと、私は思案した。 ところが、戦争の終ったのは、八月十五日であった。その朝、隣組の義勇隊長から義勇隊の訓練があるから、各家庭全員出席すべしといって来た。 「....