雀の涙[語句情報] » 雀の涙

「雀の涙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雀の涙の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鰊漁場」より 著者:島木健作
べ。」 がやがやとたちまち二三人が集まって来てその男を取りまいた。「こったら、雀の涙みてえ酒このんだばしで、どうして去んで寝られっけえ。」 五六人ずつかたま....
放浪の宿」より 著者:里村欣三
かり力を入れれば、押し潰れそうな手製の貧弱なテーブルを股の中に抱き込んで、しかも雀の涙ほどのウォツカの杯を見つめながら、この道化者の気狂いじみた興奮を猫脊に微笑....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
相当に認めることが出来なくなるのであります。そうすれば部下も反抗心を起して、何だ雀の涙ほどの小遣いしか出さないでおいて、そんなに働いて堪るものかという気になって....
奥の海」より 著者:久生十蘭
は食の道のことだが、一年の先の分まで借りだしたうえに、一人がかすかすにやっていく雀の涙ほどの切米を、舅にまで分けるのだから、くりまわしのつけようがない。 起き....
利根の尺鮎」より 著者:佐藤垢石
条件が悪くなってくると共に、海からくる鮎の数が減っていった。魚梯から落ちる水が、雀の涙ほどに量が少なくなっていったからだ。それ以来、堰堤から上流は、まれにしか天....
初看板」より 著者:正岡容
を幸い、皆には先へ帰ってもらい、私だけその座に七日つかってもらって、やっとほんの雀の涙ほどのお宝をいただいて後からみんなを追い駆けました。 ところがまぬけなと....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
ならなかった。たまに思い出したように郡代から下げ渡される救助米とか麦種子代とかは雀の涙ほどで何の足しにもならなかった。第一に、草地一面に焼灰が混ってしまったのだ....