雀色[語句情報] » 雀色

「雀色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雀色の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
しゃきん》は、おれの行《ゆ》く時刻を見はからって、あの半蔀《はじとみ》の間から、雀色時《すずめいろどき》の往来をのぞいている。そうしておれの姿が見えると、鼠鳴《....
追憶」より 著者:芥川竜之介
二、三年ころにもまだかすかに残っていたであろう。僕はまたこういう時に「さあ、もう雀色時になったから」と母の言ったのを覚えている。雀色時という言葉はそのころの僕に....
若菜のうち」より 著者:泉鏡花
、その名樹の柿が、梢を暗く、紅日に照っている。 二羽。 「雀がいる。」 その雀色時。 「めじろですわ。」....
青玉の十字架」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
いた。華やかな緑と金とが、なお暗い地平線にかかっていた。が丘の円屋根は、次第に孔雀色の緑から、青い色にかわって行った。清い宝玉でもちりばめたような星は次第にその....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
ああいう神聖な人物も出る。反動的とでも云うのだろう) 貝十郎はこう思いながら、雀色になった夕暮れの中に、消え込んで行くその人の姿を、尊いもののように見送ったが....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
やら微笑したらしい。しかしそれも一瞬の間で二人はズンズン行き過ぎた。そうして今は雀色に暮れた夕霧の中へ消え込んでしまった。 「重ね重ね不思議のことじゃ。貧乏神に....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
。少し開いている障子の隙から、その黄昏の微光が、部屋の中へ入り込んで来て、部屋は雀色に仄めいて見え、その中にいる若い男女を、悩ましい艶かしい塑像のように見せた。....
剣侠」より 著者:国枝史郎
屋はここじゃお泊まりなんし」と、旅人を呼び立て袖を引く、留女の声のかまびすしい、雀色の黄昏であった。表へ向いた二階へ通された。 旅装を解き少しくつろぎ、それか....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
いた。 らんらんとした太陽が照りつけていた。小鳥の声が晴々とひびく、山や峰は孔雀色の光に濡れ、傾斜の樹々は強烈な陽をうけて、白い水蒸気をあげている。 「急げ、....
随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
たら、赤坂の雀はまだ少しはきりょうがいい。奥多摩を考えたら、奥多摩の雀はほんとの雀色をしていた。 田園では毛ナミもよし囀りもいい雀と思って選挙しても、東京でも....